サントリーHDは2月6日、「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドの戦略発表会を開催。ビール市場が前年比95%と縮小を続ける中、前年比100%の売り上げ維持に貢献した「"神泡"プロモーション」や、今後の取り組みについて説明した。2019年は「高価格」から「おいしさ」へと価値の転換を試みるという。
厳しいビール業界 "泡"の付加価値で生き残り
サントリーホールディングスは2月6日、「ザ・プレミアム・モルツ」の戦略説明会を開催し、同9日には"神泡"のプロモーションとして「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドを提供する旗艦店「神泡BAR」(東京・八重洲)をオープンした。"神泡"とは、「ザ・プレミアム・モルツ」がビール固有の価値を高めるために素材・製法・注ぎ方によって実現したクリーミーな泡の名称だ。
昨年のビール市場は前年比95%と縮小。サントリーの山田賢治社長は「要因としては天候不順、人口減、若者のビール離れ、チューハイへの流出などが考えられる」と述べる。しかし「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドの販売実績は前年比100%を維持。「もはやビールは低価格だからと買い求められる時代ではなく、ブランドの付加価値を高めたビールの需要が増している。世界最高峰の醸造ビールを目指して2017年からスタートした"神泡"プロモーションが売り上げに貢献した」(山田社長)
2018年の"神泡"プロモーションは業務用と家庭用の両方で展開した。業務用は「ザ・プレミアム・モルツ」を神泡品質で提供する飲食店(全国3万5000店舗)で展開し、約2憶杯を提供。これは、非神泡提供店と比較し、102%の杯数にあたる。
「ザ・プレミアム・モルツ独自のきめ細かな"神泡"がおいしさを引き出す。泡とセットで提供してこそブランドの魅力が伝わる」(山田社長) …