フリーズドライ食品ブランド「アマノフーズ」のオウンドメディアが好調だ。広告費はほぼなく、検索エンジン最適化(SEO)関連企業の起用もせずで、昨年10月末時点ののべPV数が100万回を突破した。ことしは販売チャネルへの誘導と、商品を通したPRの強化を狙う。いかにして集客を果たしたのか、担当者に取材した。
ますます競争が加熱するスマートフォンの画面
フリーズドライ食品ブランド「アマノフーズ」の自社運営Webマガジン「アマノ食堂」がオープンしたのは、2015年のことだ。
当時は、オウンドメディアの黎明期。雨後のタケノコのように、各社がこぞってサイトを立ち上げた。もちろん、そのすべてが読者を獲得できたわけではない。目的と行動の矛盾を解消できず、撤退した企業もある。
それから3年。スマホ画面の視聴時間の奪い合いは激化している。動画やソーシャルメディア、マンガやゲームなどのコンテンツも豊富だ。Webサイトに限っても、星の数ほどある。
そうしたなかで、「アマノ食堂」にアクセスしている人の端末はモバイル機器がほとんどで、スマホが90%、パソコン10%という。検索エンジン最適化(SEO)会社は入れず、また、「広告費もほとんどない」(アサヒグループ食品の中村勇也氏)という同Webサイトが集客できているのは一体なぜか。
開設から3年間で読者の閲覧目的が見えてきた
「オウンドメディアを立ち上げて1年間ほどは、数字が付いてこず、泣きそうな日々でした」と、中村氏は話す。それが18年4、5月あたりから数字が急伸し、同年10月には月間ののべ閲覧回数(PV数)が100万回の大台に乗った。
「ポイントは検索のトレンド、季節性。続けてきたことで、年間を通じた動きがしだいに見えてきました」(中村氏) …