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ECの壁 突破口は「人」

30万円のお茶が完売 雪だるま式販売戦略

ロイヤルブルーティージャパン

消費者向けEコマース(EC)市場は2015年時点で前年比7.6%増と成長を続けているが、他国に比べれば日本はまだまだ売上比率は低い状況だ。ここでは高関与商材をECで販売する方法について高級茶飲料を製造・販売しているロイヤルブルーティージャパンの佐藤節男代表取締役会長に聞いた。

茅ヶ崎にある直営旗艦店の内観の様子。入った瞬間に「高級感」が伝わるデザインになっている。

年間約7万本を販売

創立2006年のロイヤルブルーティージャパン(神奈川・茅ヶ崎)は、従業員数15人の高級茶飲料メーカーだ。製造・販売している高級茶飲料の価格帯は数千円から数十万円で、製造担当の7人が1本ずつ手作業で製造している。手摘みした茶(緑茶・青茶)・紅茶(紅茶の最高ランクFOP)を3日又は7日間かけ水出しで抽出、添加物を使用せず、加熱殺菌もせずクリーンルームでワインボトルにボトリングするのは業界初の製法。

創立年からこれまでの売上高は毎年昨対比120%で成長を続けており、売り上げの構成比率はギフトが55%、業務用が45%になっている。

いまでこそ年間で約7万本を販売している同社だが、黒字化するまでには6年間かかったという。そもそも、なぜ高級茶の製造・販売を開始したのか。佐藤節男会長は、「国内のお茶は、約9割が機械摘みされています。しかもお茶と言えばペットボトルというイメージが定着してしまっており、高品質な手摘みのお茶を飲む機会がほとんどない。お茶はどうしても地味なイメージがあるが、それを変えていきたい」と話す。

また、佐藤会長は、高級茶の市場にこんなビジネスチャンスを見出していた。「たとえば高級な飲食店には高いワインや日本酒がたくさん並んでいますが、ノンアルコールは一般的なジュースやウーロン茶などが数種類という場合が少なくないと思います。お酒を飲まない人たちもその場にふさわしいドリンクを飲みたいはずですし、『数万円のお茶』となればお酒を飲む人にも興味を持ってもらえるんじゃないか、と考えました」

はじめは門前払いも多く、当時は飲食店を10軒訪問しても置いてくれる店は1軒あれば良いほうだったという。それでも地道に営業を続けたところ、「数万円するお茶」として少しずつ話題になりテレビの露出も増えていった ...

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