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ECの壁 突破口は「人」

「 LINE マンガ」に見るECサイトのヒント

LINE

プラットフォームとしての地位を確立した「LINE マンガ」

LINEは4月11日、同社が提供する電子コミックサービス「LINE マンガ」の利用実績を発表した。

「LINE マンガ」は、2013年4月のサービス開始以降、スマートフォン向け電子コミックサービスとして、250社以上の出版社・レーベルを通じ、電子コミックストアで現在までに18万点以上を配信してきた。出版社横断型の無料連載プラットフォームを構築し、ブックリーダー端末がなくても気軽にマンガ・ライトノベル作品が楽しめること、また豊富な作品ラインナップなどが評価されている。

出版物の取次販売・物流を扱うトーハンと共同で、ビーコンの仕組みを活用した「LINE マンガ試し読みキャンペーン」を全国の書店150店舗で実施するなど、全国の書店への来店促進を図る取り組みも積極的に行う。

こうした取り組みの結果、「LINE マンガ」アプリの日本国内における累計ダウンロード数は、2017年3月時点で1600万件を突破し、スマホマンガアプリダウンロード数ランキングでは1位に。また月間利用者数(MAU)、日本国内におけるゲームを除くiOS・Google Playのアプリ年間収益などのランキングでもそれぞれのコミックカテゴリで1位を獲得するなど、同カテゴリにおける国内最大規模とも言えるサービスに成長している。

今回の発表では、主要指標による実績や利用動向が発表され、提携する出版各社によるパネルディスカッションなども行われた。

そのなかでは、「ほんの数年前までは本と言えども、『紙VS電子(ネット)』という時代だった。ネットを通じて無料で読めてしまうものに対して、紙はどう対抗するかといったことが議論されていたが、いまはネットを活用して紙の売り上げを高めていく時代」(メディアドゥ 取締役兼事業開発本部長・溝口敦氏)、「コンテンツを生む源泉として、また新人作家を育てる場としての役割を雑誌が担っていたが、その雑誌は苦境に立たされている。そうしたなかで、マンガにとってもスマホを活用する重要性が高まっている」(集英社 デジタル事業部部長代理・鈴木基氏)といったマンガを取り巻く外部環境の変化が語られた。

そうした変化を受け、「LINE マンガ」をはじめとするプラットフォームを活用しながら、どのようにして紙のマンガへの売り上げにつなげていくのかについても議論され、「スマホの画面は小さいので1冊ずつアピールしていてもインパクトが小さく、当社ではまとめて訴求できるようキャンペーンを行っている。紙の書店だと目に触れるポイントがあるが、ネットで流通する電子の場合は訴求の仕方をより工夫しないと目に触れられることすらない」(講談社 販売局局次長兼宣伝部長・吉村浩氏)、「当社では2万タイトル近くのマンガを発行しているが、まずはそのマンガを目に触れてもらう機会をいかにつくるかと、どれだけ需要の掘り起こしができるかが課題だと感じている」(小学館 デジタル事業局コンテンツ営業室 副課長兼マーケティング局 コミック宣伝課・飯田剛弘氏)などの意見も。

LINEによれば、「LINE マンガ」を読者とマンガとが新たに出合う接点として位置付けている出版社が多いという。今回の発表でも ...

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