新しい商品やサービスの価値を世の中に訴えたくても、生活者に受け入れてもらうのはハードルが高いものだ。けれど、天才的なクリエイターでなくとも、人々の行動は変えることができる。博報堂行動デザイン研究所所長の國田圭作氏に、ここ1年間のヒットを振り返りながら、誰でもできる行動変化のためのキーワードを解説してもらった。
これからは○○(××は過去)
価格プロモーションだけに頼らず、消費者をひきつける施策は、どう考えればいいだろうか。ヒット現象や企画に隠された、「多くの人が動いた理由」を考えていけば、販促に活かせるヒントが見つかりそうだ。
博報堂行動デザイン研究所所長の國田圭作氏は、消費者を動かすために有効なキーワードのひとつとして、「これからは○○(××は過去)」を挙げる。例えば人気ゲームソフトなら「ポケットモンスター」から「妖怪ウォッチ」へ、アイドルグループなら「モーニング娘。」から「AKB48」へと世代交代した感覚の強調だ。
「こうした対比関係は、人々を動きやすくさせます。『これからは○○(××は過去)』と感じさせられると、そちらを選ばなければ、という気になりませんか? そして、ちょっと見慣れたもののほうが乗り換えやすい。先ほど挙げた例でも、前者はどこかしら後者をほうふつとさせます。革新的な価値観というよりは、“どこかで見たような気がするくらいの”新しさ。絶妙なバランス感覚を持っていると考えられますね」。
ナナメ下をねらえ!
では、こうした「ちょうどいい新しさ」はどのように考えていけばいいだろうか。國田氏が…