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コスメ、家電、美容室...拡大する「男性美容市場」のプロモーション(後編)

パナソニック/田谷

若い世代を中心に美容意識の高い男性が増えており、以前にも増して盛り上がりを見せている男性美容市場。関連企業は商品やサービスを拡充するとともに、より日常的に利用してもらおうと、利用シーンの提案などあの手この手でアプローチ。男性化粧品や男性美容家電、美容室の分野から、市場をリードする企業に話を聞いた。

コスメ、家電、美容室...拡大する「男性美容市場」のプロモーション(前編)はこちら

駅広告

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東京・JR品川駅での特殊駅広告。お風呂の雰囲気を演出するためにシャワーカーテンを活用している。
若い女性への反響が大きく、彼女たちのつぶやきとともに話題が拡散していった。

男性美容の文化と市場を創造する
パナソニック

パナソニックの美容家電ブランド「Panasonic Beauty」は、女性向け商品だけでなく、電気シェーバー「ラムダッシュ」など男性美容家電も幅広く展開している。今年3月には、グルーミング行為(ヒゲや体毛、髪の手入れ)が入浴時に手軽にできる3商品(ヒゲトリマー、ボディシェーバー、ボウズカッター)を発売。「お風呂グルーミング」をキーワードに、ヒゲ剃りだけでなく、全身の身だしなみを整える商品群のプロモーションを展開した。

近年、男性の美容意識の高まりとともに、ヒゲや体毛を整える人が若者を中心に増えていることが背景にある。同社によると、主要カテゴリーである電気シェーバーは、12年の市場規模が約650万台でほぼ安定している。一方で、同社のエチケットカッターなどのグルーミング商品の販売台数は、09年から12年にかけて1.7倍以上に伸びており、「これから成長が期待できるカテゴリー」(同社メンズ商品コミュニケーション担当の岡俊夫氏)である。

ただし、男性に美容意識はあっても、すぐに商品購入に結び付くとは限らない。美容とは女性のためのもので、男性がするものではないという意識もまだまだ根強い。「美容行為は身だしなみの一部。男性の普段の生活に取り入れられるべき習慣であることを伝えながら、男性美容の文化と市場を創造していきたい」と岡氏は語る。

美容行為への抵抗感を失くすための活動は、パブリシティ活動や、ウェブサイト、フェイスブックでの情報発信が中心。商品発売時には、海外では脇毛や胸毛を整えるグルーミング行為が習慣化されている実態や、海外遠征の多い日本人スポーツ選手はグルーミング行為を行っているといった情報をメディア向けに発信し、「グルーミングは世の中では普通の習慣になりつつある」という空気感の醸成を図った。ウェブサイトでは、理想の男性ヘアについて1万人の女性にアンケート調査した結果を公開。「半袖やハーフパンツになる前には、お手入れしてほしい」など体毛に関する女性の意見を紹介し、グルーミングへの興味喚起を狙った。

女性の口コミの先に男性ターゲットが存在する

プロモーションでは、「お風呂で身だしなみを整える」という新たな習慣を提案している。キャラクターには、ターゲット世代を代表する亀梨和也さんを起用。キービジュアルには、全身の身だしなみを整えるための商品を想起させるよう、上半身が素肌の写真を用いた。

このビジュアルがSNSで話題になったのは、4月下旬、ビジネスパーソンや旅行者が行き交う東京・JR 品川駅でのこと。駅構内の大型ビジョンでプロモーション映像を流すとともに、その隣ではお風呂をイメージした上から水が流れてくる広告が掲出された。この広告に対する反響は大きく、「ビジネスマンに加えて、若い女性がたくさん見に来てくれました。中には新幹線に乗って大阪から来たという女性もいたほどです」と岡氏。男性向け商品でありながら、若い女性に人気のキャラクターを起用したことには疑問の書き込みもあったが、一方で「私たち女性がいるから口コミが広がるのよ」という女性たちの声に勇気づけられたという。岡氏は、「彼女たちがSNSでつぶやいたり、彼氏や父親に伝えることで、結果的にターゲットにメッセージが届いたと思います」と口コミ効果を評価する。

キービジュアルは家電量販店などの店頭にも掲出され、売り場の盛り上げに一役買った。プロモーション用什器には、一連のグルーミング商品に加えて、通常は別の売り場に置かれている小物も一緒に陳列することで、商品群としての訴求を狙った。

商品の良さを理解するには体験が最も効果的だが、最近は衛生面の懸念から、量販店売り場での体験が実施しにくいのが現状だという。街頭イベントで体験の場を設けることもあるが、「どのような形で商品を試していただく機会を設けるかは今後の課題です」と岡氏は話す。代わりにウェブサイトでは、商品の使い方を解説する動画を多めに掲載し、利用者の疑問解消に役立つ情報提供に努めている。実際にヒゲトリマーやボディシェーバーの動画へのアクセスは、ほかのカテゴリーの商品に比べて格段に多いという。

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