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TYO学生ムービーアワード 金賞は『Brave Grandpa』総合力などが高評価に

TYO 学生 ムービーアワード

TYO 学生ムービーアワード

TYOは3月7日、「TYO学生ムービーアワード」の表彰式を赤坂インターシティコンファレンスで開催した。4回目となる今回は多数の応募の中から5作品が最終ノミネートとなり、金賞はじめ各賞が決定した。

学生向けショートフィルムコンテスト

「TYO学生ムービーアワード」は、コンテンツプロデュースカンパニーのTYOが、次世代の才能の発掘と育成、さらには、映像業界全体の発展に寄与していきたいという思いから開催している学生向けショートフィルムコンテスト。2018年に第1回が開催され、今年で4回目の開催となる。今回は「初心者」というテーマから発想した60秒のショートフィルムを募集した。

金賞に選ばれたのは、佐野文哉さん(立命館大)の『Brave Grandpa』。ゲーム初心者のおじいさんが、敵に勝つために攻略本を読んで強くなろうとするが、ゲーム内ではなく実際に筋力トレーニングを積むという大きな勘違いをしてしまい、物語は違った方向へ進む。剣を持って戦うシーンと手元のコントローラーでカットを何度も切り替え、迫力ある映像に仕上げた。

佐野さんは「剣を振って戦う場面と、コントローラーを握る場面でフレームを刻むことで、最後のオチを『剣が原因か』『力が入りすぎたことが原因か』と、2パターンに解釈できるように狙いました」と話した。同アワードには前回も応募。制作期間は約2カ月で、映像学科所属の11人のグループで制作した。

審査員の佐藤渉さん(TYO/WHOAREYOU CMディレクター)は本作について、「撮影、美術、キャスティング、音楽などすべて隙がなく総合力があった」と講評。「言葉で説明せず、映像だけで展開したのも面白い。締めるときの間や、一瞬で終わるオチの付け方も良かった」と総括した。

銀賞は、桶本優さん(佐賀大)の『おじいさんデビュー』。妻から"おじいさんのような振る舞い"だと指摘された男性が、「いつから皆、おじいさんになるの?」と問いかける。実写の作品で、セリフのテンポや音楽によって突然雰囲気が変わる展開が印象的だ。特別審査員を務めた蓮見翔さん(ダウ90000主宰/脚本家)は「初心者というテーマでお年寄りを登場させるアイデアは多かったが、"お年寄りになること"を題材にする発想が面白い。セリフのタイミングも良く、リズム感もある」と評した。

銅賞には、『Unknown Noise』の佐藤雪乃さん(武蔵野美術大)、『「初」』の盛岡三夏さん(立命館大)のグループが受賞。審査員特別賞は『トラバーチン模様のうた』を制作した、瀬こころさん(関西大)のグループが選ばれた。

TYO代表取締役社長の早船浩さんは「伝えたいことをどう伝わる形にするか、印象に残すかが審査のポイント。今回の受賞作品は印象に残るものが突出していて素晴らしかった。シルバー世代を主役にし、初心者としての挑戦を映す作品が多く、今の学生は高齢化社会をうまく捉えているという発見があった」と話した。各受賞作品とファイナリストは公式サイトで公開している。

(左から)受賞した桶本優さん、佐野文哉さん、瀬こころさん、盛岡三夏さん。

(左から)審査員の佐藤渉さん(TYO / WHOAREYOU CMディレクター)、金野恵利香さん(同)。特別審査員の蓮見翔さん(ダウ90000 主宰/脚本家)。審査員の早船浩さん(TYO 代表取締役社長)。特別審査員の別所哲也さん(俳優/「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」代表)。審査員の浜崎慎治さん(CM ディレクター)、松井一紘さん(FIELD MANAGEMENTEXPAND 取締役VP of Creative /クリエイティブディレクター・コピーライター)。

表彰式の様子。

金賞『BraveGrandpa』



立命館大学
映像学部 映像学科 3年
佐野文哉(グループ応募・代表者)

受賞コメント:前回はノミネートにも入らず悔しかったのですが、今回は金賞をいただけて嬉しいです。制作期間は企画や準備に1カ月、撮影自体は半日ほどで、ポスプロに1カ月かけました。キャストは大学の卒業制作などで出演いただいている方に声をかけ、グループ11人で制作したものです。卒業制作で1時間くらいの尺の動画をつくるので、賞金は制作費に充てたいです。

  • 企画+演出+編集/佐野文哉
  • Pr+音楽/大木海琴
  • 撮影/羽場功太郎、高村のり子(助手)
  • 照明/隈部飛鴻
  • 照明(助手)/木村律輝、葉山いろは
  • 美術/曽田詩織、杉本健太郎(助手)
  • MA/上田里紗
  • 出演/中西正

銀賞『おじいさんデビュー』

佐賀大学 芸術地域デザイン学部
芸術地域デザイン学科
地域デザインコース 3年
桶本 優

受賞コメント:選出いただきありがとうございます。出演しているのは自分の祖父母で、2人とも喜んでいます。自分も受賞によって少し将来への可能性が見えて嬉しかったです。作品の発想は、孫が生まれておじいさんになる、というわかりやすい流れとは別に、「人間はいつからおじいさんになるのか」という単純な疑問から生まれました。賞金は卒業制作に役立てたいです。将来は映画もつくりたいです。

  • 企画+演出+編集/桶本優
  • 出演/今村昭次、今村道子

銅賞『Unknown Noise』

武蔵野美術大学
造形学部
視覚伝達デザイン学科 2年
佐藤雪乃

受賞コメント:このような形で作品を評価してもらえるのは初めてで、嬉しいです。今回の賞を自信にして、制作に取り組んでいきたいと思います。制作期間は1カ月くらいで、テーマを聞いたときに、この世界に生まれたばかりで、見るもの、触るもの、聞こえるものが全て初めての「赤ちゃん」が思い浮かびました。赤ちゃんが「怖い」と感じるときの気持ちを想像し、視覚化することにこだわりました。

  • 企画+演出+編集/佐藤雪乃

銅賞『「初」』

立命館大学
映像学部 映像学科 2年
盛岡三夏(グループ応募・代表者)

受賞コメント:私たち映像学科のメンバーの作品を認めていただけて嬉しいです。制作にあたり、「初心者」をいろんな切り口から見ようと考えました。人は誰でも初心者の時があると思い、“絵を描く初心者”の赤髪の男の子と“自転車を漕ぐ初心者”の女の子のうぶな恋愛模様に落とし込みました。制作期間は2カ月ほど。初めて集団でアニメをつくれて、貴重で面白い経験ができました。将来はアニメ制作に関わることができれば幸せです。

  • 演出+アニメーション+編集/盛岡三夏
  • 企画+アニメーション+編集/大内直哉
  • アニメーション+CG/谷口嘉基
  • アニメーション+出演/川口芙優
  • MA/佐藤恋菜

審査員特別賞『トラバーチン模様のうた』

関西大学 総合情報学部
総合情報学科 2年
瀬こころ(グループ応募・代表者)

受賞コメント:このような賞をいただけて感無量です。制作期間は2~3週間で、大学の友人と2人で取り組みました。歌声とイラストは友人が、それ以外は私が手がけています。見ていて気持ちよく、なぜかもう一度見たくなるような映像を目指しました。ノミネート前から審査員特別賞を狙っていて「しめしめ」という気持ちですが、入賞者の中では知識、技術、経験いずれも一番不足していると思います。もっと磨きをかけて次の作品をつくりたいです。

  • 企画+演出+撮影+編集+音楽+MA+NA/瀬こころ
  • CG+NA/越智咲月

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