電子書籍では得られない紙の本の魅力のひとつが、手触りや質感だ。ブックジャケットをつけられるのも本ならではの楽しさ。このコーナーではさまざまな質感を持つ竹尾のファインペーパーを使用し、そこに多彩な印刷加工技術を掛け合わせることで、触って感じる新しいブックジャケットを提案していく。

明度が高く、透明感のある白い紙
軽量で明度が高く、透明感のある白さが際立つファインペーパー「スノーブル-FS」(2015年発売)。表面がコーティングされた微塗工紙で、柔らかい手触りがありながら印刷が均一に仕上がるのが特長的だ。FSC®森林認証紙でもあり、パッケージなどに使用されることが多い。
今回、この純度の高い白色をベースとし、箔を重ねた写真を配置したブックジャケットを制作したのは資生堂クリエイティブの中野築月さん。被写体となっているのは、地下道、透明なグラス、撮影スタジオの一角、飛行機の着陸シーンなど。いずれもiPhoneで撮影した写真をiPad上で表示させ、ピントをぼかした状態で画面をさらに撮影するなど画像自体を意図的に荒らして使用している。
日ごろは明快なコンセプトのもと、製品パッケージなどの...