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デザインプロジェクトの現在

フランスの老舗ブランド「LE NOTRE」の“ガストロノミー大使”

中島大祥堂 代表取締役社長 中島慎介

フランスの老舗ブランド「LE NOTRE」の“ガストロノミー大使”―中島慎介

2023年7月、新丸の内ビルディング(東京・千代田)の1階にパティスリー「ルノートル東京」がオープンした。パリ発の老舗ブランドらしい上品な佇まいが目を引く。日本展開を担っている、中島大祥堂(大阪・八尾)の代表取締役社長 中島慎介さんの話を聞いた。

2023年7月に新丸の内ビルディング1階にオープンした旗艦店「ルノートル東京」。約54平米の広さで、店内には厨房を併設している。

(左から)「ルノートル」の代表作のケーキ「フイユ・ドトンヌ」、「ルノートル東京」限定商品「<焼きたて>フィナンシェ2種とルノートルクッキー」。

ルノートルの創設者 ガストン・ルノートル氏が、その技術・ノウハウの継承を目的として1971年に設立した料理学校「エコール・ルノートル」。

憧れのブランドに直接ラブコール

LENÔTREルノートル」は、1957年、ガストン・ルノートル氏がパリで店を構えたのに端を発する。パティスリーやショコラを中心に、ワ

インやパン、デリ、ケータリングなど、食にまつわる高度で洗練された世界を切り開き、確固たる地位を築いた。1971年には、その優れた知恵や技術を継承するべく、プロのための料理学校「エコール・ルノートル」を設立。各国の著名シェフやパティシエを輩2023年7月、新丸の内ビルディング(東京・千代田)の1階にパティスリー「ルノートル東京」がオープンした。パリ発の老舗ブランドらしい上品な佇まいが目を引く。日本展開を担っている、中島大祥堂(大阪・八尾)の代表取締役社長 中島慎介さんの話を聞いた。

「本場の『ルノートル』を目にし、子ども時代の憧れがよみがえりました」(中島さん)。家業を継いで社長を務めるようになった中島さんは、成熟している日本市場だからこそ、“あの「ルノートル」をもう一度􏍂という思いを抱くように――この手の話は通常、商社などを介して進めるものだが、中島さんは思い切って、「日本に再上陸する予定はないのでしょうか」とルノートルの本社に直接アプローチした。「返信はないかもしれない」と想定してのことだったが、「興味があるので、一度話したい」と返信があったという。

早速、パリを訪れて顔を合わせて話し合う中で、精緻なものづくりを大切にする信条、一過性の流行に終わることなく普遍的な上質さを追求する姿勢、そして食を通して暮らしの豊かさを提案しようという思いなど、両者が同様の価値観を抱いているとわかり、契約を結ぶことになった。中島さんは、穏やかな語り口ながら、強い信念と出している権威ある学校だ。

日本との…

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