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名作コピーの時間

私的に好き、でいいのかも。

細川万理

    六百年前、桜を全部、切りました。春より秋を選んだお寺です。

    東海旅客鉄道/1998年
    〇C/太田恵美

    星の数ほど人がいて、今夜あなたと飲んでいる。

    サントリー/2006年
    〇C/磯島拓矢

    この惑星には、愛されるという勝ち方もある。

    サントリー/2014年
    〇C/福里真一、照井晶博

オタク気質じゃないことが、コンプレックスです。何の疑いもなく好きな物をまっすぐに好きと言えて、熱く語れる人はかっこいいし羨ましい。かたや自分には趣味らしい趣味もなく、推しらしい推しも特にない。「いちばん好きな◯◯」みたいな質問に答えることにも苦痛を感じて生きてきたので、コピーを3つ選んでよい今回は、いくらか気持ちが楽でした。

などと感じながら、コピーライターとして歩む過程で出会い、すーっと心に刻まれたコピーを挙げてみました。すると、「特段好きと言えるものがない」というコンプレックスとは裏腹に、選んだコピーにはどれも偏愛性が見え隠れしていて、自分でもちょっと驚きました。「そうだ 京都、行こう。」シリーズの中にあるコピーでは、桜ではなく紅葉に、サントリーウイスキー「響…

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