デザイン・アート・広告賞 今月の展覧会&コンペティション
柳原良平と船の旅
柳原良平は1961年、初めての外国航路の船旅を経験し、以降生涯にわたり船旅を楽しんだ。今回は乗船記をまとめた『船旅の絵本』(1972年、文藝春秋)の原画を中心に、数々の船旅の中で描かれた作品を展示している。
柳原良平と船の旅 | |
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横浜みなと博物館 |
善本喜一郎写真展 東京タイムスリップ 1984⇔2022
人も街も変わる。でも、変わらないものもある。何が変わって、何が変わらなかったか。本展では、2021、2022年とベストセラーとなった『東京タイムスリップ1984⇔2021』と『東京DEEPタイムスリップ1984⇔2022』(河出書房新社)掲載作品と、写真集に未掲載の作品を展示。1980年代(昭和末期)の東京の風景を、現在の同位置、同角度から撮影したものを並べて展示している。OM SYSTEM GALLERY(旧オリンパスプラザ東京)の2022年トリを飾る展示となる。
善本喜一郎写真展 東京タイムスリップ 1984⇔2022 | |
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OM SYSTEM GALLERY |
潜在景色
写真は目の前に見えているもののみならず、その場所に潜む見えない何かをとらえている。雄大なランドスケープや身近な街の風景、何気ない日常生活の一場面をとらえた写真が、その場所の歴史的、社会的な背景や、そこに流れてきた膨大な時間、記憶の痕跡を想起させる。「見えるもの」と「見えないもの」とは、写真のみならず、芸術における根源的なテーマでもある。
本展はそうした写真の見えないものをとらえる力に着目し、前橋をはじめとする群馬全域、さらに広域にわたるエリアを作家それぞれが独自の視点でとらえ、多様な手法を用いて表現した最新作を含めて構成。見過ごされているものや、場所が内包するものへと眼差しが向けられていくことで、見慣れた自然や街、日常の風景の中に潜在的な景色が現れてくる。
潜在景色 | |
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アーツ前橋 地下ギャラリー |
YUMING MUSEUM
18歳だった1972年にシングル『返事はいらない』でデビューして以来、音楽シーンの最前線で新たな扉を開き続けているユーミン。50年の活動で、39枚のオリジナルアルバムを生み出し、公演数2000回を超えるステージではファンとかけがえのない時間と空間を共有してきた。雑誌やラジオ、テレビを通して伝えられる等身大の姿は、今も同時代を生きる多くの人たちの共感を集めている。
本展は、これまでほとんど公開されることのなかったユーミン自身のコレクションや、貴重な資料や映像、ステージ衣装、直筆のメモなどを、まさに「ミュージアム」として過去最大規模の展示で紹介。ユーミンが育った東京の街を見渡す海抜250メートルの大パノラマ空間とともに、シンガーソングライター、そしてひとりの人間としてのユーミンの魅力に出会うことができる。
YUMING MUSEUM | |
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六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー |
光の芸術家 ゆるかわふうの世界 宇宙(そら)の記憶
「ゆるかわふう」によって考案された世界初のオリジナル技法「光彫り」の作品は、建築物の内側に使われる発泡断熱材を使用して制作される。断熱材の背後からLED照明を当て、表面を金属ブラシで削ったり、半田ごてやシンナーで溶かしたりして凹凸をつけ、その彫り具合で濃淡をつくり、光と陰影を表現している。壁や床の中に埋め込まれ普段目にすることのない断熱材だが、東京藝術大学で建築を学んだ「ゆるかわふう」にとっては、建築模型をつくるための材料として身近なものだった。
本展では、高さ約1.8メートル、幅約5メートルの大作をはじめ、新シリーズの作品、横浜初出品の新作を含めた約30点を展示している。暗い会場の中で浮かび上がる光。