デザイン・アート・広告賞 今月の展覧会&コンペティション
ライアン・ガンダー われらの時代のサイン
国際的な注目を集めるライアン・ガンダーの東京で初めての大規模個展。ガンダーの作品は、日常生活で気に留めることすら忘れているあたりまえの物事への着目を出発点として、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像などそのジャンルは多岐にわたる。制作の背景には、「見る」ということについての考察や日常経験の鋭い分析など、知的な好奇心が満ちあふれ、その作品は見る人の思考や創造力を刺激して、私たちにさまざまな問いを抱かせる。作品を前にすれば、思わずクスッとしたあとに、はっとするような発見が待っていることだろう。
ライアン・ガンダー われらの時代のサイン | |
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東京オペラシティアートギャラリー |
フィン・ユールとデンマークの椅子
デザイン大国として知られるデンマークでは、1940年代から60年代にかけて、歴史に残る優れた家具が生み出された。デンマークのデザイナーのなかでも、フィン・ユールは、ひときわ美しい家具をデザインしたことで知られている。優雅な曲線を特徴とするその椅子は、「彫刻のような椅子」とも評される。
本展は、デンマークの家具デザインの歴史と変遷をたどり、その豊かな作例が誕生した背景を探るとともに、モダンでありながら身体に心地よくなじむフィン・ユールのデザインの魅力に迫る試みだ。椅子のデザインにはじまり、理想の空間を具現した自邸の設計や、住居や店舗、オフィスのインテリアデザインまで、幅広い仕事を紹介する。
フィン・ユールとデンマークの椅子 | |
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東京都美術館 |
鈴木のりたけの“しごとば”展 進化する絵本の世界
鈴木のりたけが描く『しごとば』は、計6冊を数える人気シリーズである。「しごとの現場を絵本にする」という発想で、それぞれの現場に赴き、取材を重ね、緻密な図解と、見開きいっぱいの画面を組み合わせて、子どもたちの憧れの職業を解説し、エピソードを交えてその魅力を伝えている。
本展で取り上げる職業は子どもたちが憧れるであろう「しごと」を含め、新幹線運転士、プロ野球選手、プロサッカー選手、宇宙飛行士、消防隊員、女優、客室乗務員、書店員、花屋、米農家、医師、花火師、特殊メークアップアーティスト、水族館飼育員、オーケストラ団員、恐竜学者など多岐にわたる。
今回は原画とあわせてラフも展示予定。加えて、『しごとば』シリーズ以外の絵本原画も数多く展示。常に進化を続ける絵本作家の魅力に迫る。
鈴木のりたけの“しごとば”展 進化する絵本の世界 | |
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武蔵野市立吉祥寺美術館 |
this is not a samurai
鎧兜をモチーフに人間の内面性や多様性を問いかける美術作家・野口哲哉。国内外での展示開催や海外ブランドとのコラボレーションなど、その活躍は多岐にわたる。見る人に感情を押し付けないニュートラルな作風はあらゆる世代や国籍の人々に広く受け入れられている。鎧兜を着た人物が所在なくたたずんでいるかと思えば、リラックスしたり、苦悩したり、一見すると鎧兜とはアンバランスな、飾らない人の姿をリアルに映し出す作品の数々。
本展では、野口の作品の中から代表作の立体や平面など約40点と、本展のために制作された新作もあわせて展示。作品に込められた優しさと悲しさ、人間への好奇心にあふれた世界を紹介する。
this is not a samurai | |
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ポーラ ミュージアム アネックス |