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成功するD2Cブランド クリエイティブと差別化戦略

世界観から支持を得たEC運用のモデルケース

CARTA COMMUNICATIONS「HAUT」

デジタルマーケティング事業を展開するCARTA COMMUNICATIONSが、2021年4月からメンズ向けのオールインワン化粧品「HAUT(オウ)」を販売している。数多あるブランドの中で際立つ世界観のつくり方とは。

「HAUT」の「オールインワンフェイストナー」(2800円、税込)。

自社サービスの改良のために立ち上げ

「HAUT」が立ち上げられた背景には、CARTA COMMUNICATIONS(以下、CCI)が展開するECでの販売戦略をワンストップで支援するサービス「Commerce Container(コマースコンテナ)」がある。同サービスでは販促の戦略や広告運用といった面をカバーでき、CCI内でも知見が蓄積されてきたが、一方で実際にクライアント側が担っているサプライチェーンの構築や運用という面の知識が浅く、弱みととらえていた。「自社でD2Cのブランドを立ち上げて運営してみることで、そのノウハウを学び、コマースコンテナのサービスを通してクライアントに還元していこうと考えたのです」と、CCIの加藤潤一さん。

そのため、事業として立ち上げるからにはある程度の売上を見込むことができ、参入障壁が高過ぎないもの──と、プロダクト自体はマーケットインの発想で開発された。「コスメやジェルネイルなどいくつか候補はありましたが、その中でメンズスキンケアに注目しました。企画をしていた2020年初頭は今ほどメンズスキンケア市場が盛り上がっておらず、僕自身がユーザー目線に立てるので、チャンスがあるのではと考えたんです」(加藤さん)。そうして“オールインワンで完結し、ベタ付かない”という自身やチームメンバーの理想とするプロダクトの開発が始まった。

商材がおおまかに決まった頃から、ブランディングパートナーとしてプロダクトデザイナー/アートディレクターの黒野真吾さんがプロジェクトにジョイン。加藤さんの高校からの友人で、D2Cプロダクトのブランディングを手がけた経験も多数持つ。

黒野さんは「ネット専売のブランドは当時から既に多数あり、どれもエモーショナルな見せ方をしている印象でした。そのためどう差別化するか、を重視して考えていきましたね」と話す。商品の開発段階においても併走していたため、緻密な計算をしながら進める開発の様子が...

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