2018年10月に、サッポロビールが新たなビールの楽しみ方を提案すべく開始した「HOPPIN' GARAGE」。魅力的な人生ストーリーを持つ人を探し出し、そのストーリーをもとにビールを生み出すという試みだ。21年4月からはD2Cに転向。各商品の企画の背景の伝え方を、試行錯誤しているという。
ストーリーを伝えるパッケージ
2018年に開始した「HOPPIN' GARAGE(ホッピンガレージ)」は、人々の人生のストーリーをもとにしたテーマのビールを生み出し、そのストーリーを味わいながら飲むという、新たなビールの楽しみ方を打ち出しているブランドだ。当初は食を通じて人をつなげるCtoCのサービス「キッチハイク」との協業で、オフラインイベントを定期的に開催して一般消費者からビールのアイデアを募り、それを実現していく試みだった。しかしコロナ下の2021年4月からは、製造したビールをD2Cで販売する形式に転向している。
「HOPPIN' GARAGE」を立ち上げたのは、サッポロビール 新規事業開拓室のマネージャー 土代裕也さん。「人の想いを起点としてビールを醸造するので『ストーリーブリューイング』と言っています。たとえば、おむすびへの愛がとても強い人の『おむすびのすばらしさを世の中に伝えたい』という想いから、『和musubi』というビールを商品化。並行して秋田県に田んぼをお借りし、皆でお米も育てました。極めて個人的なストーリーが人の心を動かすとこの数年で実感してきました」と振り返る。
立ち上げ当時からクリエイティブ面で並走しているのは、クリエイティブカンパニー Steve*(スティーブアスタリスク)。代表取締役/クリエイティブディレクター 太田伸志さんはこう語る。「当時土代さんから、誰かの想いをみんなで実現するビールをつくると聞き、なんだかすごいことを言うなと思ったのを覚えています(笑)。そこからポートランドのガレージで自らの想いでビールをつくるおじさんを想像して、『ジョン・ホッピン・スミス(通称:ホッピンおじさん)』というキャラクターが生まれました。頭が開いたデザインは『脳内工場』をイメージ。誰かの...