美容成分と化粧品の開発・製造・販売を手がける三省製薬(福岡県)。2022年7月に、自社のオリジナルブランドとして「IROIKU」をローンチした。canariaの徳田祐司さんと共に「色づき美容液」と価値を打ち出し、自社ECを中心に販売している。
サステナビリティやダイバーシティに向き合う姿勢を体現
福岡県に本社を置く三省製薬は1960年に創業。独自開発した美容成分の販売を基盤に、OEM・ODM化粧品の開発や販売も手がけている。オリジナルブランドとしては、1993年に通販化粧品の「デルメッド」を開始。また2019年には、九州大学との産学連携で、竹のリサイクルや放置竹林対策にも貢献するスキンケアブランド「yameKAGUYA」を立ち上げた。今回の「IROIKU」は、これらに続く3番手にあたる。
「IROIKU」の立ち上げの経緯を振り返り、同社の陣内宏行社長はこう話す。「2019年にG20大阪サミットが開催されました。その頃から、サステナビリティやエコ、エシカル、ダイバーシティといったテーマに、当社としてどう向き合っていくべきかを検討していました。『デルメッド』は主に女性に美容成分を届けるべく展開してきましたが、今の時代、女性だけでなく全ての方々に利用いただける、ダイバーシティの考え方にかなっていて自然にも優しいブランドが必要だなと。私たちはつくることのプロですが、市場性や見せ方についてのアイデアをいただきたいと考え、具体的にどんなプロダクトが求められているのかを考える段階から、canariaさんに入っていただきました」。
canariaのクリエイティブディレクター/アートディレクター 徳田祐司さんは話を聞き、「社会課題をとらえる姿勢や、美容成分のメーカーでありながらBtoCに支持されるブランドを展開していて挑戦的な姿勢を持たれているところから、ちょっとやんちゃなアイデアを提案しても、すごいものをつくってくれるのではないかとワクワクしましたね(笑)」と話す。canariaでさまざまなコスメブランドのブランディングを手がけてきた経験をもとに、ブランドの視座からアイデアをいくつか提案したという。
「健康色」から始まった
その中で最も陣内社長の共感を得たのが、今回の「IROIKU」だ。その名は、「色を育てる」ことに由来する。「今、求められているのは...