光ファイバーや電力ケーブルなどの製造を担う古河電気工業。2年後には創業140周年を控え、情報通信やエネルギー関連のインフラ事業を長年にわたって下支えしてきた企業だ。そんな古河電工が2021年末から今年1月にかけ、ラッパーのC.O.S.A.さんが書き下ろした楽曲を用いたテレビCMを放映。出演するのは同社の社員たちだ。同時に特設サイトでも動画を公開した。
「当社は素材力を核として社会に貢献してきた企業とはいえ、BtoBメーカーであるが故に知名度の低さがネックでした。企業ブランド調査を実施すると、先端的な技術や製品を多数持ちながら、先進性・未来志向といったイメージのスコアが低いという現状も。そこで認知度や企業イメージを高めていくために、約20年ぶりとなるテレビCMの制作に踏み切りました」と、広報部の杉浦雅昭さんは振り返る。
CMの企画自体は2019年に立ち上がっていた。オリエンでは、ステークホルダーの中でも特に若年層をターゲットとすること、先進的な企業イメージの醸成や社員のモチベーションアップにつながるCMを目指すこと、と伝えていた。「広告会社3社がコンペに参加し、電通にお願いしました。決め手は高いクリエイティビティと、CMを核にした全体のコミュニケーション戦略の提案などの総合力でした」(杉浦さん)。
ところが、いざ制作をという段階でコロナ禍が直撃し延期に。ようやくプロジェクトが再始動したのは2021年に...