パナソニックのホールディングス制導入を前に2021年10月1日に設立された新会社、パナソニック 空質空調社。ブランドスローガンとして「空気から、未来を変える。」を打ち出し、人と地球に優しい空気の見える化に挑んでいる。
「空気にファンができるように」
パナソニック 空質空調社は、主に空調事業を展開してきたパナソニックの空調冷熱ソリューションズ事業部と、空質事業を展開してきたパナソニックエコシステムズが融合した会社だ。それぞれ似て非なる分野で研究開発を進めてきた両社が一体となり、HVAC(暖房、換気、空調の総称)カテゴリで新たなソリューションを提供していく。
「統合に伴い、これまで両社が独自に進めてきた各商品レベルでのブランディングではなく、空質空調社としての“面”のブランディングが必要だと考えました。パナソニックでは『ビューティ』や『ビストロ』などカテゴリでのブランディングが強化されていますが、それらと同様に『HVAC』としても独自性を浸透させていこう、というのが今回の目的です」と同社の事業企画センター長/空質ブランド戦略室長 池田博郎さんは説明する。
さらに、「独自性を打ち出すというのは、つまり当社にとっての“空気”を定義して見える化し、他社が提供する空気と差別化すること。ゆくゆくはパナソニックの空気にファンができてくるような状態にしたい」と同 広報総括の福冨全代さん。そこで空気を差別化し浸透させていくフェーズでハッピーアワーズ博報堂(以下、HHH)が加わることに。タグラインや広告表現などを共に検討していった。
空気を可視化する映像
空質空調社が100年以上の歴史を背景に保有するコア技術は、「水浄化」「集塵」「脱臭」「除菌」「気流制御」「調湿」「熱交換器」「温度制御」。これらをもって提供するのは「この時代に人々が安心して生きることに直結する空気」(福冨さん)だ。それらを集約・分類して定義した提供価値は、「空気から、安心安全を。」「空気から、社会に活力を。」「空気から、健やかな地球を。」の3つ。すなわち、人の安心安全を担保し、ストレスを感じさせず、さらに地球にも優しい空気のことだ。それらを総称する役割として、ブランドのスローガンに「空気から、未来を変える。」という言葉を掲げた。
加えて、スローガンを体現するテレビCMを制作している。映像は雑踏の音から始まり、徐々に呼吸音に。息を...