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紋章上繪師 波戸場耀次さんがおすすめする4冊の本

波戸場耀次

クリエイターのオフィスを訪ねると、よく見かける、大きな本棚。忙しい仕事の合間に、クリエイターたちはどんな本を読んで、どのように仕事に活かしているのか。今回は、デジタル技術を掛け合わせ、家紋の新たな可能性を提案し続ける紋章上繪師(もんしょううわえし)波戸場耀次さんです。仕事や人生に影響を受けた本について聞きました。

『服を作る モードを超えて 増補新版』

山本耀司(著)、宮智泉(聞き手)
(中央公論新社)

山本耀司さんの服が好きだった父は、僕の名前を「耀次」と名付けました。いつからか、僕も耀司さんの服を自然と好きになり、改めて耀司さんの生き方や想いを感じたいと思い、この本を手に取りました。そこには時代や常識に抗いながら、全身全霊で「服」と向き合う耀司さんの姿がありました。特に印象的だったのが、1枚の布から虫ピン2本だけでスカートをつくり、後進に手仕事の重要性を説くエピソード。NHKの特番『ヨウジヤマモト~時空を超える黒~』(2020年6月)でも放映され、ものの数秒で形づくられたスカートの格好良さに鳥肌が立ったのを覚えています。

デジタルに頼らず手と五感で服をつくるとはどういうことか。「そこから何かを感じ取ってくれる人が五パーセントでもいてくれればいい。そして、それを感じ取れる人は幸せなんだと思う」。その言葉にデザイナーであり、職人、表現者としての生きざまを貫く耀司さんの覚悟を感じました。素晴らしいご縁をいただき、Yohji Yamamoto POUR HOMME A/W 2019-20 Paris Collectionに、父 承龍の描いた紋曼荼羅®のモチーフが採用された時は、生まれた時からの運命を感じました。

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