心に風を吹かせるコピー
コピーライターをめざしたきっかけは、大学3年生の時に雑誌で見つけた小さなコピー講座だった。決め手となったのは、先生のこんな言葉。「コピーライターは、普通に暮らしている人に、普通の言葉で伝える仕事。だから普通の感覚があれば誰でもできる。」
大塚製薬/2000年
〇C/秋山晶、麻生哲朗
新潮社『海辺のカフカ』/2002年
〇C/新潮社(黒田貴、鈴木力)
サントリー/2009年
〇C/小野田隆雄、中島英太
昔から、感情を表に出すのが苦手だった。幼稚園の頃には「落ち着いてるね」と先生に言われ、ショックを受けた記憶がある。なんというか「楽しくないの?」と問われるように。今なら気にしないけど、当時は気になって。成長するにつれ、その場の雰囲気を壊さないよう笑うクセがついた。
中学の頃には、手慣れたもので。なんの躊躇もなく、感情を上塗りできるようになった。そんな時だ、ワカゾーと出会ったのは。そいつは、他人の目など1㎜も気にせず、青春を謳歌していた。行き当たりばったりで、常に捨て身。ドジで無様で可笑しいのに、僕には彼がカッコよく見えて。高校に入ったらワカゾーのように、自分むき出しで生きようと決めた...