IDEA AND CREATIVITY
クリエイティブの専門メディア

           

デザインの見方

自分の感覚を信じるということ

岩永和也

資生堂/パーフェクトルージュ

  • CD/澁谷克彦
  • AD/高橋歩
  • C/村澤浩昭
  • D/高磯恵子
  • 撮影/ニック・ナイト

資生堂「パーフェクトルージュ」の広告を初めて見たのは、大学生のとき。ドラフトのD-BROSへの入社が決まり、アルバイトとして働き始めたときでした。仕事で手が空いたときは、いつも社内の本棚から作品集などを取り出して見ていました。ある日、『ADC年鑑』を開いたときに衝撃を受けたのが、この広告でした。

当時、僕が勝手に想像していた広告のつくり方は、まずコンセプトとロジックを固めてから、具体的なクリエイティブをつくる・・・というように、かなりガチガチにつくりこむイメージでした。でも、この広告はそんなことを感じさせず、見た瞬間にスッと自分の中に入ってきて、「あ、いいな」と思えたんです。商品である口紅とそれを使っている女性、そして商品名のみという、そぎ落とされたデザインで、実にシンプル。そのビジュアルの何がいいのか、具体的には説明できないのですが、とにかく当時の自分に響くものがありました …

あと73%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

デザインの見方 の記事一覧

自分の感覚を信じるということ(この記事です)
「本来あるべき姿」から逆算されたデザイン
暮らしに寄り添う中で生まれてきたデザイン
いいデザインは、心の奥にある感情を呼び起こす
『ちびまる子ちゃん』の扉絵が教えてくれたデザインの面白さ
バイアスを排除して視覚化。情報を明快に伝える潔い設計
ブレーンTopへ戻る