
資生堂/パーフェクトルージュ
- CD/澁谷克彦
- AD/高橋歩
- C/村澤浩昭
- D/高磯恵子
- 撮影/ニック・ナイト
資生堂「パーフェクトルージュ」の広告を初めて見たのは、大学生のとき。ドラフトのD-BROSへの入社が決まり、アルバイトとして働き始めたときでした。仕事で手が空いたときは、いつも社内の本棚から作品集などを取り出して見ていました。ある日、『ADC年鑑』を開いたときに衝撃を受けたのが、この広告でした。
当時、僕が勝手に想像していた広告のつくり方は、まずコンセプトとロジックを固めてから、具体的なクリエイティブをつくる・・・というように、かなりガチガチにつくりこむイメージでした。でも、この広告はそんなことを感じさせず、見た瞬間にスッと自分の中に入ってきて、「あ、いいな」と思えたんです。商品である口紅とそれを使っている女性、そして商品名のみという、そぎ落とされたデザインで、実にシンプル。そのビジュアルの何がいいのか、具体的には説明できないのですが、とにかく当時の自分に響くものがありました …