赤瀬川原平のパロディーとユーモア
これまでデザインに関して、たくさんの人やものから影響を受けてきました。その中でもデザインに対する態度で最も影響を受け、今もたびたび思い出すものがあります。それは、前衛芸術家の赤瀬川原平が1970年代に週刊誌『朝日ジャーナル』(朝日新聞社)で連載していた『櫻画報』です。
デザインの見方
年に数回、展示会などで訪れる東京ビッグサイト。そこで3年前に出合ったのが、「東京ビッグサイト」のVIです。敷地内に展開されているのを見て、「やられた」と、身体に衝撃が走ったのを覚えています。その場で検索したところ、大学の同じ研究室の先輩でアートディレクターの三澤遥さんが制作されたと知りました。在学期間は被っていませんが、教授から三澤さんの伝説的な話を何度も聞いており、勝手に憧れていました。後日お会いした際に、挨拶もそこそこに「『東京ビッグサイト』のお仕事、感動しました!」と前のめりにお伝えしてしまったほどです。
広く取られたグレーの余白と、右下に2つ連なって配された象徴的な逆三角形。さらにその中央に置かれた黒の三角形。色も形も極めてシンプルなのに、見た瞬間に白の部分が「東京ビッグサイト」の建物そのものを示しているとわかります。さらにハッとさせられたのが、黒の三角形を矢印に見立てたことです …