僕は装丁家、グラフィックデザイナー、書体デザイナーと3つの肩書きを掲げています。似て非なるこれらの肩書きを同時に掲げているデザイナーは、ほぼいないと思います。そんな僕が大学時代に目指したのは、ブックデザイナー。その基本知識として独学でタイポグラフィを勉強したことが、いまに繋がっています。
当時手に入れた本が、府川充男『組版原論』。活字を原理から説明している本で、プロのデザイナーがタイポグラフィの知識を持つのは当たり前である、という現実を突き付けられました。その本ですっかり活字に魅せられた僕は金属活字を調べ、古本屋で古い雑誌や書籍を探すようになったんです …
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