"デザイン"とは、私たちがそれに関わったときに影響するものすべてにおいてのこと、と考えています。そのとき置かれている自分の立場、時代でデザインの見方は当然変わってくると思いますが、自分が気になっていたものが姿形、切り口を変えて突然目の前にやってくることもある。それが現れ出てきたとき、そのトリガーを見逃してはいけないし、自然とそういうものが「見えてくる」ということが重要だなと。
そういう風に自分にある既成概念じゃないというか、知らなかったけれど(空気みたいだけど)実は見えている(感じている)ということ。それこそが、実はデザインの本質ではないかと思います。それはある意味、恋愛に近い感覚でしょうか?例えば長い間、友だちでいた人に突然、恋愛感情を持つ。これまで見えていなかったのに、ある日突然魅力的な存在に見えてくることってありますよね?仲條正義さんの「TACTICS DESIGN」(以下、タクティクスデザイン)のハンカチに、私はそんな感覚を覚えました。
出会いは、小学生の頃。おそらく美術館に行ったとき立ち寄ったミュージアムショップで、父が購入したのだと思います …