「gelato pique」や「SNIDEL」をはじめ、「Cosme Kitchen」など、さまざまなブランドを展開しているマッシュホールディングスが、和紙の繊維を使った新ブランド「UNDERSON UNDERSON」を立ち上げた。和紙とファッションをどう結びつけて、どんなスタイルを提案しているのか取材した。

アンダーウェアを中心とした新ブランド「アンダーソン アンダーソン(UNDERSON UNDERSON)」。

新宿「NEWoMan」にオープンしたショップ。
世界に誇れる日本のアパレルブランドを
以前、マッシュホールディングスの代表取締役社長を務める近藤広幸さんにインタビューした際、ファッション業界の未来に向け、日本のファッションアパレルが世界の中で存在感を高めていけるように、いろいろ仕掛けているという話に心動かされた。そのひとつが「UNDERSON UNDERSON(以下、アンダーソン アンダーソン)」だ。
8月29日、新宿「NEWoMan」の4階にオープンしたのが、その第一号店。並んでいるのは、Tシャツやスウェットをはじめ、パジャマ、ルームウエア、ソックスなどの数々。手にとってみると、予想以上に軽いことに、そしてハリがあるのにやわらかい触感に驚かされる。和紙を用いた新しい素材と耳にしてはいたが、これは今までに経験したことがないもの。削ぎ落されたシンプルなデザインなのに、今の時代の匂いがして、上質な空気感が漂っている。こういうアンダーウエアやルームウエアなら、欲しいと思う人、贈ろうと思う人がいるに違いないと感じた。
「アンダーソン アンダーソン」は、ITOI生活文化研究所代表の糸井徹さんとの出会いに端を発する。糸井さんは25年前から和紙繊維の研究を続けてきた第一人者。極薄に漉いた和紙を、できるだけ細く長く裁断したものがスリット、それを極細のポリエステルの周辺に撚って紡ぎ上げる製法を生み出して特許を得ていたのだ。
和紙繊維は多孔質(無数の細かい穴が開いている)構造で、軽量で強度がある、通気性や消臭・抗菌性でも優れている。摩擦熱が発生しにくいのでスポーツウエアにも適している──その独自性を活かしながら、ポリエステル繊維を芯にすることで、伸縮性のある素材を作り上げた。これを、マッシュホールディングスが手がけるブランドで使えないかと提案したのだ …