原宿の明治通り沿いに「THE NORTH FACE ALTER」というショップが登場した。これで5つの「THE NORTH FACE」関連のショップが軒を列ねることに──快進撃を続けるブランドのめざすところを聞いた。
原宿にオープンした「THE NORTH FACE ALTER」。「THE NORTH FACE」では、ここを「テクノロジーと自然の共存」や「地球の未来」について考えるきっかけを提供していく場である。
自然が持っているエネルギーやメカニズムはライフスタイルに欠かせないものに
ここ数年、ファッションの領域でスポーツマインドが強まっていることもあり、アウトドアやスポーツにあまり興味がない私も、「THE NORTH FACE（以下、ノースフェイス）」の勢いを感じてはいた。その新業態として登場したのが、「THE NORTH FACE ALTER（以下、オルター）」。見にいったところ、今までのイメージを踏襲しながらも、違う空気が流れている。どんな意図が込められているのか知りたくなり、ゴールドウインの副社長を務める渡辺貴生さんにインタビューした。
「これからの時代を担っていく10代後半から20代にかけての人たちに向け、『ノースフェイス』が持っている本質的な思想や世界観に触れてほしいと、ここ5年ほど考えてきました」と渡辺さん。「ノースフェイス」がブランドミッションとして掲げてきたのは「次の世代に正しい自然とのかかわり」を伝えること。「自然が本来持っている根元的なエネルギーやメカニズムは、これからのライフスタイルに欠かせない要素。そこに魅力を感じてもらいたい」という渡辺さんの思いを実現したのが「オルター」なのだ。
ショップに入ってまず目を引くのは、大きなドーム状のテント。宇宙船を思わせる未来的な姿かたちで、中に入ると小宇宙のような空間が身体と心に心地よさをもたらしてくれる。
これは発明家であり思想家であるリチャード・バックミンスター・フラー博士の発想を起点としたもの。彼が提唱したジオデシックドーム理論に基づき、同氏の監修を得て「ノースフェイス」が開発した …
