日々進化するネット広告やソーシャルメディアの世界。たとえ直接ネット広告の運用に関わる立場ではなくても、広告の仕事をする上で最低限知っておきたい、ネット広告&ソーシャルメディアの基礎知識とは。
クリエイティブもネット上では"運用"される
多様化と複雑化が進むネット広告。上の図は、ネット広告の形式の5つの基本要素をまとめたもの。最近は、この中から「画像+テキスト」といった複数の要素を組み合わせたり、「バナー+フィード型(裏側にあるデータベースから商品情報などを呼び出し、人によって異なる商品を表示するバナー広告)」など機能を組み合わせて展開されるようになっている。
一方で広告の配信・管理方法は「枠売りの広告」から「運用型広告」へと大きくシフトしている。テクノロジーを使って多数の素材を出し分ける運用型広告では、多数のクリエイティブを作り、表示した結果から、最も効率のいいクリエイティブへと最適化していく。
運用型広告のひとつであるリスティング広告では、どんなキーワードで入札するか、またキーワードとクリエイティブの組み合わせによって、結果が大きく異なる。メディアプランナーがキャンペーンの命運を握る時代とも言えるが、クリエイターの中にはメディアやキーワードの選定を含めたプランニングも広くクリエイティブの一部と考え、自らキーワードの設定やチューニングまで"やりきる"人もいる。
ネット広告では、さまざまな数値が、つまびらかにされる。「動画であれば、視聴完了数・視聴完了率・視聴時間などが取得できるようになっていますし、指標としても重視されるようになっています。他にも、音あり/なしで見たか、一時停止して再開したか、フルスクリーンで見たかまで、数値で取れるようになっています」とD.A.コンソーシアムホールディングス 広告技術研究室長 永松規範さんは話す。
こうした数値が出ることを「色々なことがわかって面白い」と捉えて自身の知見に取り込んでいくのか、単に「面倒」「わずらわしい」と捉えるか。それによって、ネット上のクリエイティブに臨む姿勢やモチベーションは大きく変わる。ユーザーの反応や行動をすばやく取り込み、クリエイティブそのものも"運用"する意識で臨むこと。それが …