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デザインの見方

デザインの認識を変えた蕎麦屋のマッチ

山野英之

並木藪蕎麦のマッチ

僕が京都工芸繊維大学の学生だった20年ほど前、グラフィックデザインはカルチャーの一つとして華やかな時代でした。当時は渋谷系と呼ばれる音楽シーンとともに、信藤三雄さん率いるコンテムポラリー・プロダクションや、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマンに代表されるスイスタイポグラフィーに影響を受けていました。いま思えば、その頃はデザインの意味や機能は考えておらず、ただビジュアルに惹かれていたのでした。そんな頃、縁あって伊藤弘さんが設立したグルーヴィジョンズに参加。そこで映像とデザインの仕事を手伝いながら、グラフィックデザインの基礎を学びました。1997年にグルビが東京に拠点を移すのにあわせて、一緒に上京しました。3年近く在籍した後、ちょうど雑誌『relax』が復刊するタイミングで、ADを担当する小野英作さんに声をかけてもらい、NANAに入社します。復刊後の『relax』は岡本仁さんが編集長で、編集部は自分と同世代の編集者ばかり。元々好きだったカルチャーがテーマの雑誌だったこともあり、楽しく、学ぶことも多かった。学生の時にグルビに入り、世の中のことを知らないまま上京して仕事をしていたので、初めて外の世界を知ったような気分でした。僕にとって『relax』は"第二の学校"のような場所になりました。…

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