1970年代後半、世はスーパーカーブーム。小学生だった僕も例にもれず、プラモデルやラジコンに夢中になりました。特に好きだったのは、ランボルギーニやポルシェといったメーカーのロゴ、マルティニやアリタリアといったレーシングカーのスポンサーロゴやカラーリング。子どもながらそういうところに日本のデザイン事情との隔たりを感じ、スーパーカーから伝わってくるヨーロッパの文化やムードのようなものに漠然と憧れていたんです。
パッケージデザインや部品がパッキングされた状態を眺めるのも好きで、その感覚は今も変わりません。15年ほど前に弟がTAMIYAのプラモデルをプレゼントしてくれたのですが、いまだに組み立てず、箱のまま仕事部屋に飾っています。箱のふたに描かれているクルマのイラストは、部分的にスケルトンで表現されています。手順を記した説明書には、組み立ての過程やパーツがアウトラインのみで緻密に描かれています。どれもシンプルでわかりやすく、デザイン性が高い。ときどき仕事で、描きかけの絵をそのままにしたような隙のあるデザインにすることがあるのですが …