「がんばる母さんやめました」自分らしさを探る「卒母」の考え方
『卒母のためにやってみた50のこと』(大和書房)という本に出会い、ページを繰り出したら止まらない。手書きの文字とイラストで構成されているたたずまいもユニーク――著者でありグラフィックデザイナーの田中千絵さんに話を聞いた。
デザインプロジェクトの現在
東京・神楽坂に「la kagu」がオープンして4ヶ月あまり。新潮社とサザビーリーグがパートナーシップを組んだショップとしても、話題を呼んでいる。異質な2社の協業は、どんな風に行われ、どんな場を作ったのか、聞きに行った。
サザビーリーグ(以下、サザビー)が、神楽坂に新しい業態を作っていることは、随分前から耳にしていた。それが、昨年10月にオープンした「la kagu(以下、ラカグ)」。地下鉄東西線神楽坂駅の階段を昇っていくと目の前に現れる、倉庫みたいな一軒家だ。前面にある大きな階段をのぞみながら中に入ると、簡素だけれど質のいい空間に、セレクトされた服や雑貨が並んでいる。大きなテーブルやソファが配されたカフェもある。奥の階段を上がっていくと、服や家具、書籍などが置いてある。暮らしを取り巻くさまざまなモノが、総面積962.54平方メートルという大空間の中に配されている。一見すると、今、流行りのライフスタイルショップに見えなくもないが、じっくり巡ると、ユニークな視点がスパイスみたいに見え隠れしているのがわかる。お話をうかがったのは、サザビーリーグの営業統括室事業開発部でプロジェクトマネージャーを務める前田亮介さんと、同部で「ラカグ」のクリエイティブディレクターを務める安藤桃代さんだった。
もともとここは、昭和40年代に建てられた新潮社の倉庫で、神楽坂という地に縁(ゆかり)を持つ新潮社がどこかと協業しようということから …