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麻布台ヒルズに登場 日常使いを考えた地域のための本屋

大垣書店 麻布台ヒルズ店

2023年11月にオープンした「麻布台ヒルズ」のタワープラザ4階に「大垣書店」が出店した。上質で端正な空間は、遠くからでも目を引く存在。書店の元気が少しなくなっているのではと感じていたので、早速、副店長の大垣交右さんの話を聞きに行った。

「麻布台ヒルズ」のタワープラザ4階に入る「大垣書店 麻布台ヒルズ店」。空間のデザインは業態開発研究所が担当。
©FUMITO SUZUKI

“街”の中で日常使いできる本屋

現会長の三男という大垣さんは、裏表のない爽やかな話しぶりが印象に残る方だ。この仕事をきっかけに東京に出てきたというが、本と本屋を愛している思いが伝わってくる。

大垣書店は京都を発祥とし、80年以上の歴史を持つ老舗の本屋。麻布台ヒルズへの出店は、直営店舗として東京都内初であり、グループで50店舗目という節目でもある。「今までも地元密着で、それぞれの立地に合わせた書店をつくってきたので、今回もその考えを踏襲しました」(大垣さん)。

麻布台ヒルズを手がける森ビルから出店の話が来たのは3年ほど前のこと。麻布台ヒルズをつくるにあたり、“商業施設”というより“街”をまるごとつくり上げることを目指しており、そのためには日常使いできる本屋が必須ということから、大垣書店に白羽の矢が立ったのだ。デベロッパーである森ビルと細かい打ち合わせを重ね、一緒につくり上げていったという。

昨今は、書籍ビジネスだけでは成立しづらいことから、さまざまな商品を取り扱う書店が増えている。時代の流れではあるものの、生業は何かという商いの本質が薄まっているように感じていた。

しかし今回の出店は、雑誌から週刊漫画誌、文庫本まで日常使いの本をきちんと網羅した、あくまで地域の人にとって必要な書店をつくるところに力を注いだという。そこからは、“街”の機能の本質、もう少し踏み込んで言えば、“街”で過ごす人々の楽しさや心地よさを追求しようとする森ビルと大垣書店の姿勢が透けて見える。

オリジナルの書棚から全てをデザイン

デザインについてもこだわった。大垣書店は、大阪を拠点とする業態開発研究所と長年にわたってタッグを組んでおり...

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