プロ・アマ問わず競うコピーバトル、C‐1グランプリ。今回のお題は「世の中を炎上させるコピー」。岡野草平さんと水野祐さんの課題は、ちょっとドキドキする結果になりました。
出題テーマ:世の中を炎上させるコピー
「炎上」とは、なんだろう?ブログやソーシャルネットワーック上での炎上におけるコミュニケーションのバイラルな盛り上がり方は、有効に機能していた時代のコピーにどこか通じるところがないか、「炎上」に見られる「陰」の力を「陽」に転換して、世の中を動かす活力とすることはできないか。そんな思いから出題したテーマでしたが、現実に「炎上」のコントロールが難しいように、「炎上」コピーのポジティブな面を引き出すのは至難の技だったようです。そんな中でも、コピーとしてギリギリありえそうなものを選出いたしました(岡野草平・水野祐)。
グランプリ
「へぇ、そんな趣味もあったんだ(笑)」−Google
阿部優樹
Googleは誰よりも、私よりも、私のことを記憶している。
初めてググった時から今日までの全ての検索・閲覧履歴が見られたら、
これほど楽しく、恐ろしいことはないなぁ。選出ありがとうございます。
Googleは、世の中をよい方向に変えていっているすばらしい企業ですが、その強大な力って、使いようによっては、本当の意味で世界を炎上させることもできるものと思います。もう本気だしたら、国とか潰せそうだし。(岡野)
もはや押しも押されもせぬ世界有数の巨大企業となったGoogleを嘲笑うような軽やかさがありますが、Googleがこんなことを言ったら大炎上でしょう(笑)。
法律家としては、個人情報やプライバシーを集めまくっている点を突く、キラリと光る批評的なまなざしも感じました。(水野)
「スラムダンク」実写映画化決定!
小澤良祐
世の中でいちばん実写化しちゃいけない漫画じゃないでしょうか(笑)
流川は綾野剛で…想像しただけで寒気がします。
「つかれた」−松岡修造
岩田泰河
シンプルですが、いいですね。XのTOSHIを彷彿とさせる大転換です。
あの時は、興奮したものです。
もう一本だけ作ります。 宮崎駿
藤沢隆博(アドソニック)
「やっぱり…」という溜め息と、「それでも観たい!」という根強いファンの歓声が渦巻く画が想像できます。というか、リアルにありそうです(笑)。
切り絵展開催中 R化学研究所
川崎朋子
本年度、というかここ数年でももっとも大きな炎上の1つとなりそうなあの事件。R化学研究所にも、これくらいの遊び心があれば、このような事態にはならなかったのかもしれません。
ファイナリスト
「24時間営業はじめました。」ワタミ
伊藤拓郎
マイケル・ジャクソン、3Dプリンターで生き返る。
奥村沙也(新日本印刷)
「みんなヤッてますよ。」秋元康
小澤良祐
「うるさい!」佐村河内
萱森龍太
「葬儀なう」坊主
池原和
ROUND99 テーマ発表!
クラシック音楽が聴きたくなるコピー
誰もが聴いたことはあるけれど、自分から積極的に聴く人は限られているクラシック音楽。正直僕もあんまり聴きません。いろんな切り口があると思いますが「『そういえばそうだな』という気づきがあるか。」「自分がそのコピーを見て、本当に聴きたくなるか。」といったポイントを踏まえて、考えてもらえるとうれしいです。最終的には「レトリックの上手さ」よりも「感じるか、感じないか」で審査させていただきたいと思います。思いもしなかったような素敵なコピーをお待ちしています。(山口広輝)
出題者:山口広輝
1974年、山形生まれ。ジェイアール東日本企画 コピーライター。2007年TCC入会。主な仕事に、JR東日本 JR SKISKI「ぜんぶ雪のせいだ。」、大人の休日倶楽部「大人になったら、したいこと。」、山形DC「キミと夏と山形」、マイナビ2015など。TCC賞、朝日、読売、毎日、日経広告賞、交通広告グランプリ優秀賞など受賞。
ゲスト:早川和良
CMディレクター。TYO Inc.Camp-KAZ。ACCグランプリ、ADC賞、フジサンケイTVCM大賞、広告電通賞、カンヌ国際広告映画祭金賞、アジア広告映画祭最高賞、IBA賞、ロンドン広告映画祭部門賞、タイ広告賞金賞、ニューヨーク国際広告フェスティバル金賞など。最近の主な仕事:JR東日本「大人の休日倶楽部」、YEBISU BEERなど。
C-1グランプリ 応募受付ウェブサイト
https://www.sendenkaigi.com/c-1/
※応募方法を必ずお読みいただいてからご応募ください。
FROM TCC
まもなく発刊される『TCCコピー年鑑2014』。TCCグランプリ「バカは強いですよ。お利口さんよりも、ずっと。」を始め、世の中を動かしたコピーが満載です。今年のモチーフは富士山で二つの意味が込められています。富士山が世界遺産に登録された年に日本の広告でも遺したかったコピーがあること、全国のコピーライターがその頂きを目指す、今年の日本一のコピーが決まったこと。「富士山のコピー年鑑」は広告界の貴重な財産になるだけでなく、来年のコピー日本一を目指すあなたの道標となるでしょう。ご予約はこちらから。
http://www.sendenkaigi.com
イラストレーション:イトウツヨシ