世の広告主企業やパブリッシャーはいかにこのクッキー規制という課題に対応するとよいのか。フランスで誕生し、世界各国にサービスを展開するTeadsの日本事業を統括する今村幸彦氏に聞いた。
人を追いかける広告から 出稿する“面”を重視した広告へ
iOS14.5以降ではアプリトラッキング透明性の仕組みが導入されています。これについてアプリの調査会社であるFlurry Analytics社は、アメリカのiOS14.5ユーザーの96%が追跡を無効にした可能性を示す調査結果を発表しました。またAppleは、「iPhoneはプライバシーを守るスマートフォン」ということを前面に押し出したCMもアメリカで放映しています。
日本はこのような欧米の事例と比較すると、データを取得されることに対する消費者の理解はまだ少ない傾向にありますが、この流れは近いうちに日本にもやってくるでしょう。
このような風潮が社会で生まれている中で、今後、顧客データを活用したデジタル広告は、顧客を追いかけるような仕組みではなく、番組内容や時間帯などから視聴者像を描いて出稿するテレビCMのように、サイトのジャンルや記事内容といった文脈に応じた広告を“面”に対して出稿し、読者の関心事項に近い提案を...