昨今、「SDGs」が社会において重要なキーワードとなり、産業界においても社会貢献活動の在り方に関心が集まっている。SDGsの実装は、ブランド戦略にどう関わってくるのか。SDGs先進企業として長く、活動を行っているサラヤ 代島氏に話を聞いた。
POINT
POINT 1 チャリティとビジネスの両輪を回すことが大切。
POINT 2 社会課題に向き合う前に、コアとなる本業の存在意義を問い直す。
POINT 3 継続した取り組みが競争優位性をつくる。
SDGs先進企業「サラヤ」の取り組み
エコ洗剤・アルコール手指消毒剤等を扱っているサラヤでは、ボルネオの生物多様性の維持、ウガンダの衛生向上の取り組み、エジプトの砂漠緑化などさまざまなプロジェクトを"本業を通じて"行っている。
昨今、国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)に注目が集まり、その実装に向けた大手企業を中心とした取り組みが始まっているが、サラヤの活動は15年以上にわたる、歴史のあるものだ。
サラヤにおける社会貢献活動も率先して指揮し、かつマーケティング実務にも携わる、代島裕世氏は、こうした活動のブランディングへの関わりについて、どのような考えを持っているのだろうか。
もともとサラヤのBtoC向け商品の代表ともいえる、「ヤシノミ洗剤」は、1971年の誕生以来、地球にやさしい植物性洗剤として愛されてきた。
その後、現在につながる社会貢献活動の次なるステージに進むきっかけは、テレビ番組の取材だった。「現在、当社の商品ではアブラヤシから搾るパーム油・パーム核油を使用しています。2004年、マレーシアのボルネオ島での熱帯林破壊の問題がテレビ番組に取り上げられ、当社がそのことについてメーカーの立場でインタビューを受けたことがきっかけでした。我々はそこで初めて、熱帯雨林の生物たちの棲み処が失われていること、その原因がアブラヤシのプランテーション開発であるということを知りました」。
そこからのサラヤの動きは早かった。持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)に、日本企業で初めて直接参加。他にもボルネオの保全支援を続々と行った。
ブランディング目線で見た社会貢献活動とその効果
現在はSDGs活動にもコミットしている同社。代島氏は、チャリティとビジネスの両輪を回すことが重要だという …