オイシックスドット大地が提供するミールキット「Kit Oisix」。同社では時代背景や事業の強み、ニーズを生かした企画を実現しています。新・子育て世代のインサイトを捉えた企画の背景を聞きました。
ひと手間加えることがカギ 事業の強みとニーズを汲んだ商品開発
有機野菜など、安全性に配慮した食品・食材の販売を行うオイシックスドット大地が提供する「Kit Oisix」は"20分で主菜と副菜がつくれる"をコンセプトにしたミールキット。毎日を忙しく過ごす30~40代の女性がターゲットで、未就学児のいる家庭にも使用されている。
「Kit Oisix」が生まれたのは2013年7月。以前同社が"3日分の献立セット"を販売した際、一部の消費者から熱狂的な支持を受け、企画された。
「消費者の方から、『忙しい毎日の中で料理に時間をかける余裕がない、しかしお惣菜を買うのは家族の目を考えても、また自分としても気が引ける』という声をいただき、時短ニーズを感じて商品開発をしました」と話すのは、同社 統合マーケティング部 広報室の西田尚子氏だ。
消費者の声や時短ブームといったニーズだけでなく、事業の強みも生かした「Kit Oisix」。もともと有機野菜の販売を行っていた同社だが、「野菜を使いきれずに、せっかく買っても余らせてしまう」という悩みの声が消費者から聞かれていたという。こうした悩みが料理や買い物の失敗体験となるのを防ぐため、「Kit Oisix」の前身である"3日分の献立セット"が開発された。
「"20分"というコンセプトも、もっと短い時間でつくれるメニューを提供することもできるのですが、きちんと料理している実感を持てる時間が20分と考え、設定しました。また、当社では時短に対して、"誇れる時短"や"プレミアム時短"を提供しています。これは、時短だけでない価値を提供しようとする取り組みです」(西田氏)。
この"プレミアム時短"という考え方は、「Kit Oisix」発売当初から同社が掲げていたもの。「時短はしたいが、お惣菜を買うのは…」という悩みを取り除きたい、時短していることを誇れるようにしたいという思いが込められている。そのため、レシピもつくって見栄え良くできるものにするよう気をつけている …