幅広い世代の女性に人気のある、ワタシ軸の生活情報誌『サンキュ!』。さまざまな世代を見てきた『サンキュ!』編集部に、リアルな新・子育て世代の特徴を聞きました。
"低欲求高不安"な世代だから前向きな努力志向がある
現在の新・子育て世代はバブル期が終わってから長く続くデフレを乗り越え、アベノミクス効果で景気回復をようやく迎えようとしている。『サンキュ!』編集部によると、激動の時代を過ごしてきた35歳以下の世代は「低欲求高不安」という大きな特徴を持つ。これは、自分の子どもの教育や老後の不安など、将来に不安を抱えている人が多いためだと考えられる。
そのため、この世代は自分なりの価値観を持つことが重要と考え、将来に備えたライフプランを立てる傾向がある。一番満足度の高いものを見極めて選び取るのが低欲求高不安の世代の特徴だ。
実際に雑誌『サンキュ!』でもバブル世代には「節約テク100」のような節約術が人気だったが、新・子育て世代には「一生のマネープラン」などが人気に。長期的な知識を得ることを大切にしている人が多いのだという(図表1)。
『サンキュ!』は今年で創刊22周年。マネー系の優しい教科書として20代女性にも支持されている。Web媒体「サンキュ!」でブロガーを3500人抱えているため、インフルエンサー組織にもなっている。『サンキュ!』の読者であるイマドキの主婦は、ほどほど余裕もあって課題意識をしっかり持ち、勉強熱心で前向きに解決していこうとする姿勢が特徴的だ。
「20年前は節約黄金期と呼ばれる時期があり、節約術が読者に人気の企画でした。現在の『サンキュ!』に読者が求めているのは節約術ではなく、"豊かさの提案"です。読者モデルなど影響力のある人がリーダー的な存在として、幸せの提案をしていく企画が人気を集めています」とベネッセコーポレーション たまひよ・サンキュ!ブランドマーケティング室 室長の山本沙織氏は話す。
また、共働き世帯が増えているいま、家の中のことに時間やお金をかけるより、効率的に回していきたいという感覚を持つ人が増えていると山本氏は指摘する。長く続くデフレの影響で"ヤスカワ(安くて可愛い)"のような高品質で低価格のものをたくさん消費してきた世代、目利き力もある世代なのだ。
目利き力にもつながるこの世代の特徴として、モノを所有しないことがある。本当に自分に価値のあるものは貯金してでも買うが、フリマアプリ「メルカリ」などでモノの売買をするシェアが消費の形として自然に行われているため、モノが手に入りやすく、手放しやすいのだ …