広告マーケティングの専門メディア

           

「 所有したくない」消費意識 シェアリングビジネスとミレニアル世代

家事のシェアサービス「エニタイムズ」に見る、ネット上に広がる「助け合う文化」

エニタイムズ 角田千佳

人気を集めるシェアサービスからは、それを支持する消費者の意識や価値観が読み取れるのではないか。エニタイムズ、グローバルエージェンツ、akippa、ココナラのトップに話を聞いた。

エニタイムズ
代表取締役社長 角田千佳氏

慶應義塾大学法学部政治学科卒。2008年野村證券に入社、2010年サイバーエージェントへの転職を経て、2013年にエニタイムズ創業。

地域での助け合い多様な働き方を実現させる

インターネットを介して、掃除や料理、ペットの世話など、家事や日々の生活で困っていることを近所の人同士で助け合うコミュニティサービス「エニタイムズ」。ユーザーは自分の得意なサービスを登録し、それを利用したい人が購入する仕組みだ。

例えば、家事のコーナーを見てみると、買い物代行や家事手伝い、お風呂掃除、お墓参りの代行などが500円から3万円で販売されている。その他にも、家具の修理・組み立てや趣味・習いごと、引越しなどが存在する。サービスを出品・購入するだけでなく、困りごとに応えてくれる人を募ることもできる。

その他にも、ベッドの修理やイベントの搬入作業を手伝ってくれる人などが募集されている。過去には、クリスマスの時期に「サンタクロースの仮装をして登場してくれる人」も募集されていたというから、利用者のニーズは多様だ。

サービスを手掛けるエニタイムズは、2013年に代表取締役社長の角田千佳氏らによって設立された。取引金額の15%を仲介手数料として受け取るモデルだ。角田氏は創業のきっかけについて、次のように話す。

「解決したい社会課題が大きく3つありました。ひとつ目は地域のつながりが希薄になっていること。2つ目が共働き世帯が増えて、子育てや家事の分担など地域内での助け合いが求められていること。そして3つ目が社会全体で多様な働き方の実現が求められていることです。私自身もひとり暮らしをしていて、家具の組み立てなど様々なことを街の便利屋さんにお願いしていたことから、このビジネスが思い浮かびました」。

    Point 1

    掃除での利用が全体の6割 時間の有効活用が目的

現在のサービス登録・利用者数は3万4000人で、20~30代が6割。実際に依頼者と提供者が会う必要があるサービスのため、人口の多い東京都など関東エリアが中心だ ...

あと58%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

「 所有したくない」消費意識 シェアリングビジネスとミレニアル世代 の記事一覧

大手企業や自治体が、シェアリングビジネス企業との提携を進める
ぼくたちに、もうモノは必要ない。「ミニマリスト」の生活から新しい消費者の姿が見えてきた
なぜ利用?ミレニアル世代の「シェアリングエコノミー」意識調査の結果を公開
注文から1時間で届けるネットスーパー、東急電鉄の「買い物代行」舞台裏に潜入
レイ・イナモト氏、室井淳司氏対談─消費者の価値観は「保有」から「利用」へ
狙いは『クルマ離れ世代』、トヨタがカーレンタル空間をオープンさせた背景
30代を境にお金と時間の考え方が逆転、「得意」を売買するフリーマーケットにみる意識変化
急成長する駐車場予約サービス「akippa」、利用者の心理的障壁を減らすための試みとは?
ミレニアル世代は「合理的」?若者に人気の賃貸住宅からみえる消費意識とは
家事のシェアサービス「エニタイムズ」に見る、ネット上に広がる「助け合う文化」(この記事です)
もう無視できない!世界中で急成長する「シェアリングビジネス」の現状と課題
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する