人気を集めるシェアサービスからは、それを支持する消費者の意識や価値観が読み取れるのではないか。エニタイムズ、グローバルエージェンツ、akippa、ココナラのトップに話を聞いた。
地域での助け合い多様な働き方を実現させる
インターネットを介して、掃除や料理、ペットの世話など、家事や日々の生活で困っていることを近所の人同士で助け合うコミュニティサービス「エニタイムズ」。ユーザーは自分の得意なサービスを登録し、それを利用したい人が購入する仕組みだ。
例えば、家事のコーナーを見てみると、買い物代行や家事手伝い、お風呂掃除、お墓参りの代行などが500円から3万円で販売されている。その他にも、家具の修理・組み立てや趣味・習いごと、引越しなどが存在する。サービスを出品・購入するだけでなく、困りごとに応えてくれる人を募ることもできる。
その他にも、ベッドの修理やイベントの搬入作業を手伝ってくれる人などが募集されている。過去には、クリスマスの時期に「サンタクロースの仮装をして登場してくれる人」も募集されていたというから、利用者のニーズは多様だ。
サービスを手掛けるエニタイムズは、2013年に代表取締役社長の角田千佳氏らによって設立された。取引金額の15%を仲介手数料として受け取るモデルだ。角田氏は創業のきっかけについて、次のように話す。
「解決したい社会課題が大きく3つありました。ひとつ目は地域のつながりが希薄になっていること。2つ目が共働き世帯が増えて、子育てや家事の分担など地域内での助け合いが求められていること。そして3つ目が社会全体で多様な働き方の実現が求められていることです。私自身もひとり暮らしをしていて、家具の組み立てなど様々なことを街の便利屋さんにお願いしていたことから、このビジネスが思い浮かびました」。
Point 1
掃除での利用が全体の6割 時間の有効活用が目的
現在のサービス登録・利用者数は3万4000人で、20~30代が6割。実際に依頼者と提供者が会う必要があるサービスのため、人口の多い東京都など関東エリアが中心だ ...