7月末、都内某所で行われた「宣伝会議賞」のメインジュアルの撮影。例年は人物にぐっと寄った“静的”なイメージを採用することが多かったが、今年は一転して“動的”なビジュアルとなった。長い手脚を大きく広げてジャンプしたり、ワンピースの裾をひらめかせながらこちらを振り向いたり……自由に動き回る八木莉可子さんの一瞬の煌きを捉えたカットは、どれも躍動感に満ちている。クリエイティブディレクターの谷山雅計氏、アートディレクターの秋山具義氏に、デザインの意図・狙いを聞いた。
──撮影を終えていかがですか。
谷山:八木さんには、昨年「コピーライター養成講座」のポスターに出演いただき、その時は“静”のイメージで撮影しました。一方、今回は彼女の躍動感、自然な動きを撮りたいと思っていました。こちらが何も言わなくても、キレイな動きをしてくれましたね。
秋山:圧倒的なオーラに驚きました。短期間のうちに、人間としてスケールが大きくなったことが伝わってきました。人って、きっかけひとつでぐっと伸びることがある。「宣伝会議賞」も、人が伸びるチャンスのひとつだと思います。それを表現する上で、今まさに大きな伸びを見せている八木さんに出演いただいて良かったと感じています。「コピーライター養成講座」も「宣伝会議賞」も、これまでは人物に寄った写真を使うことが多かったのですが、今回は引きで撮ったことで、八木さんのスタイルの良さや存在感を生かすことができました。
──ビジュアルのコンセプトは。
秋山:谷山さんから事前にいただいたコピー案は、力強いものが多かった。それを見て、この世の中で「コピー1本で勝負する」って、カッコいいなと改めて思いました。たくさん書いて「どれかが当たればいいな」よりも、「この1本で勝負するぞ」と強い気持ちで応募してもらえたらなという思いを込めています。
谷山:「宣伝会議賞」には、いろいろな立場の人が応募すると思うんです ...