- 若者に興味を持ってもらうには、ルールを設けすぎるのでなく、参加者に委ねること。
- 瞬間的な「体感」は情報では得ることができない。何を「体験」させるかではなく何を「体感」させるか。
- 参加者の目線にまで企業側が下りる。そのためには、一生活者に戻って振り返ってみること。
体験型イベントのここがポイント!
これまでの潮流とは異なる 重視される感性という側面
イベントを企画する際には、まずは若者の意識や消費動向、SNSが浸透した今のマーケティング手法を知ることが重要です。
イベントの企画に際しては、「話題化」が重要な指標になるケースが多いと思います。しかし「SNSが浸透し、今や日常に欠かせないツールとなった現代だからこそ、以前から求められてきた「拡散させろ」という言葉はマーケティングプランニングの現場で、通用しなくなってきています。
それでは今、大切なこととはなんでしょうか。意図的に拡散は企画できない、ということを認識したプランニングを行うことです。イベントなどの舞台は企業側の方で用意するものの、「どう表現するかは受け側(参加者)に任せましょう」という「委ねる」動きが顕著になってきました。しかし、実際にこの姿勢を実行に移すのは、なかなか難しいことです。
今の若者に注目すると、若者はブラウザを使用して検索するのではなく、Instagramなどのハッシュタグを頼りに、SNSの中で検索をする人が増えているといわれます。我々のような大人世代から見ると、「本当に?そんなことしているの?」と疑わしい目で見てしまいがちなのですが、それが今の若者のリアルです。不要な情報はいらないし、自分に必要でかつリアルな情報だけを求めているんです。
この点で企業が抱えてしまう課題として、実際にそうした若者の現状を目の当たりにしている現場と経営層とで、温度差が出てしまうこと。温度差が生まれる原因として考えられることは、経営層がこれまで成功してきた手法がマス・マーケティングに偏っていることにあります。
マス広告が効かなくなったわけではありませんが、これまで視聴率などの数値を重視してきたため、ツールとしてSNSを活用したときの評価基準も目に見えるリツイート数など数のみを求めてしまったりする。一方でSNS上ではエンゲージメントという概念が重視されるように、定量的に測れないものもあるのが現状です。
私はSNSによって定性的なものではありますが、口コミが可視化されるようになった環境は、新しい評価基準を考える上で、活用できるものだと考えます。
以前からあった口コミがSNS上で可視化されただけではありますが、これにより数値化できない価値にも目が向くようになっていると感じます。現場と経営層の温度差を埋めるには、数値だけではない新しいデータを見せていくことが重要です。それにより、リーチや認知にとどまらない、消費者の気持ちを動かすことの価値を社内で理解してもらうことにつながるのではないでしょうか。そして消費者の感性に訴えることが大事だということの理解が進むのではないかと考えます。
感性に訴えることでいうと、SNSの「いいね!」機能の意味合いも変化してきました。SNSが誕生したころは他人に見せるための意味合いが強かったのですが、その「いいね!」も受け手側の感性に訴える「なんとなく幸せ」といった気持ちが重要になっているのではないでしょうか。今は感性に響いたことに「いいね!」していると思います。
今若者に求められているのは「一体感」や「共感」
GUの「GU-MANIA」では普通の女の子が日常の可愛いなと感じたおしゃれを投稿しています。この投稿でも「おしゃれを楽しんでいる」といった一体感や共有がうまく作用していると感じます。ここでポイントとなっているのが …