SNS広告の秀逸事例
ユーザーが主語となり、かつインタラクティブ性が求められるSNS。プラットフォームごとの特性を生かして大きく拡散した5つの事例を、寄稿者が紹介します。
宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本
ダイレクト・レスポンス系広告施策のクリエイティブやPDCAを回す際のポイントをお話しする前に、オンライン広告の主な種類と特徴をあげていきたいと思います。
まずは、「リスティング広告」です。これは検索結果画面に表示される広告枠でYahoo!ではスポンサードサーチ、GoogleではAdwordsと呼ばれる広告枠です。検索したキーワードに応じて広告を出し分けることが可能なため、ニーズが顕在化したユーザーに対して広告を出すことができ、効率よく獲得につなげることができます。一方、入札制でCPC(クリック単価)が決まるため、競合が多いキーワードの場合、CPCが高騰し、クリエイティブの工夫を重ねても、効率が合わないという状態が発生します。
次に、「アフィリエイト広告」です。広告主の商品・サービスなどが実際に成約(購入・申し込み)された場合にのみ、料金を支払う広告手法です。成果報酬型広告とも呼ばれています。アフィリエイターが自らのサイトやブログに広告主の商品・サービスを掲載し、そのリンクから商品・サービスが成約された場合に、アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)と呼ばれる仲介会社を介してアフィリエイトサイトへ支払いが行われます。報酬金額は広告主が自由に設定することができ、実際に成約しなければ支払いは発生しないため、費用対効果が良いとされる集客手法です。その一方で、クリエイティブコントロールがしづらいという特徴があります。アフィリエイターが成果を獲得したいがために効果、効能などを誇張して掲載しているケースなどは常時監視が難しいため、完全に防ぐことは困難です。
「ディスプレイ広告」とは、いわゆるバナー広告、テキスト広告と呼ばれる手法です。獲得単価重視のWeb出稿が主流な通販業界においては、このディスプレイ広告が重要な広告のプロダクトとなっています。ディスプレイ広告には、大きく分けてオーディエンス配信とリターゲティング配信の2つの配信手法があり、トータルでCPAを見ながら効率を合わせていきます。オーディエンス配信はユーザーのデモグラフィック情報、普段見ているサイト情報や過去の検索ワードなどに応じて広告を出し分ける手法です。一方で、リターゲティング配信は一度サイトやLPに訪れたユーザーに対して広告を配信する手法となります。リターゲティングするポイントは、商品ページ・LP(ランディングページ)・フォーム・確認画面などに分類して、運用するケースが一般化しています。また、例えば、訪問からの経過日数に応じて設定を分類し、どの程度の経過日数までにリターゲティングすれば獲得効率が合うかといった、精緻な運用も行われています。ディスプレイ広告のクリエイティブには、運用に合わせて体系化したクリエイティブ設計と、弛まぬPDCAが不可欠です。
「ネイティブ広告」は、メディアやサービスのコンテンツの一部であるかのように見えるタイプの広告手法です。主にメディアサイトで扱われているため、「編集タイアップ広告」や「記事広告」などもネイティブ広告に含まれます。クリエイティブは広告らしさを感じさせず、コンテンツ(文章や画像や動画など)と同じ文脈で表示されるため、通常の広告よりも商品・サービス理解度が進み、獲得効率が上昇するというケースも出てきています。
さらに「ソーシャルメディア広告」ですが、これはソーシャルメディアへ情報を広める仕組みを備えた広告手法です。国内ではTwitterとFacebookを中心に通販業界でも利用が広がりつつあります。リスティング広告と同様に、利用者を細かくターゲティングできることに加え、学歴や交際状態、特定ユーザーのフォロワーなど、ソーシャルメディア独自のターゲティングが可能です。
では、広告手法がたくさんある中で、レスポンスを高めるためにはどういったクリエイティブの工夫が必要なのでしょうか。
まずは、広告枠の特性に合わせたクリエイティブができているかがポイントです。例えば、現在通販業界では主流となっているインフィード広告枠(コンテンツや記事の間に表示される広告)であれば、画像の広告色は弱くして、フィードの世界観に合わせながらも …