洋酒チョコの先駆け こだわりを守りながらも変革を進めたRummyの60年
1965年の発売から2025年で60周年を迎えるロッテの「Rummy(ラミー)」。ロッテには2024年に60周年を迎えた「Bacchus(バッカス)」もあるが、共に根強い人気を誇る洋酒入りチョコレートだ。
ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略
昨年、40周年を記念に展開したプロモーションが奏功し、発売からの最高売上を記録したあずきバー。ロングセラーブランドであるが故に中高年層を中心に親しまれているが、若年層へのアプローチにも力を入れている。
左が1973年発売当初のパッケージ。リニューアルを重ねながらも独特のイメージを定着させていった。
右が2014年現在のパッケージ。
昨年40周年を迎えた井村屋のあずきバーは、どこか懐かしさを感じる素朴な味わいが人気だ。
井村屋のルーツは、1896年に三重県松阪市で創業した和菓子店で、今年は創業から118年目となる。会社組織となったのは1947年の戦後間もない時代で、主力事業はパンの製造だった。1953年、社名を井村屋製菓に変更し、ようかんや即席ぜんざいの製造を始める。アイスクリームの発売は1963年。当初発売したのはバニラバーや最中アイスで、すでに競合商品が多く出回る中、井村屋は苦戦を強いられる。
先代から事業を引き継いだ社長の井村二郎氏の経営理念は「特色経営」。他社の真似をせず、他にはないもので勝負するという考え方だ。「あずきバー」の開発は、井村屋の特色を活かしたアイスクリームを開発したいという思いと、当時新商品の開発に頭を悩ませていたスタッフに社長が言った、「あずきがあるやろ」という言葉からスタートした。
あずきバーを発売したのは1973年。その材料は、あずき、砂糖、食塩、コンスターチと、まさにお汁粉の材料そのもの。乳製品は一切使用していない。あずきバーがカチカチに固いのは、乳化剤や安定剤が添加されていない自然食品だからだ。
アイスは固く凍っているが、中のあずきはつやつやでふっくらとしており、粒の食感を楽しむことができる。「あずきをおいしく炊くには熟練の職人技が必要です。当社には和菓子屋時代から培った独自のノウハウがあります」と、経営戦略部長の岩本康氏は胸を張る。
その後、家庭用冷蔵庫の進化によって ...