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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

「本場の味」を日本に根付かせヨーグルト市場のパイオニアとして「家族の健康」に寄り添い50年

明治 明治ブルガリアヨーグルト

(左)1973(右)2023

1973年に発売した明治のヨーグルトブランド「明治ブルガリアヨーグルト」は、2023年で50周年を迎えた。

無糖タイプのプレーンヨーグルトとして日本で初めて発売された。誕生の背景は、1970年に開催された大阪万博のブルガリア館で、同社の社員がプレーンヨーグルトを試食したことがきっかけだ。それまで国内のヨーグルトはゼラチンなどで固めた甘いものが中心、甘味をつけず乳製品だけでつくった「本場の味」に感銘を受け、商品化を目指したのだという。本場の味のヨーグルトを再現しようとブルガリア由来の乳酸菌を使用して試作を重ね、1年後の1971年に「明治プレーンヨーグルト」という商品名で発売。その後ブルガリア共和国から商品への国名使用許可を得て、「明治ブルガリアヨーグルト」に変更し現在に至る。

発売後の反応は「酸っぱい」という意見が大半だった。「発売から最初の10年はプレーンヨーグルトという存在を認知・定着させるためのフェーズだった」と振り返るのは、明治 発酵マーケティング部の田中 陽氏。販売にも苦戦していたことから、商品のイメージアップや喫食シーンの提案を積極的に実施したという。

「酸味を“さわやか”と表現したり、喫食シーンとして朝食に一品加えるのに丁度よいことを訴求しました。当時は今のように朝食にヨーグルトを食べるという習慣はなく、受け入れられるまでに時間はかかりました。それが今では朝食の定番として定着し、日本にヨーグルト文化を根付かせる役割を明治が先陣を切って果たせたと思います」。

発売から現在に至るまで、一貫して“家族の健康に寄り添うヨーグルト”というブランド価値を訴求してきた「明治ブルガリアヨーグルト」。50周年を機に、新シリーズ発売や、新ブランドCMなどを通じて、多様な家族の形態に寄り添うブランドへとアップデートを図る。

視点01 商品・ラインアップ
健康価値が支持を受け、朝食の定番として普及

現在の蓋付きタイプの容器形状は発売から10年後の1981年に登場した(左)。乳酸菌の効果に着目し、1984年からは容器に菌の名称も添えて健康価値を訴求。「明治ブルガリアヨーグルトLB51」(右)。

ヨーグルトの発祥の地、ブルガリア共和国の国名を冠した「明治ブルガリアヨーグルト」は...

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