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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

「噛むほど、うまい。」をベネフィットに堅さ追求の世界観でファンを拡大

カルビー 堅あげポテト

(左)1993(右)2023

カルビーのポテトチップスブランド「堅あげポテト」は2023年に1993年の発売から30周年を迎えた。

カルビーは1975年にポテトチップスを初めて発売して以来、高校生や大学生をメインターゲットに商品を展開してきた。しかし、少子高齢化により中高年の人口ボリュームが増していく中で、将来を見据えた戦略商品として、当時の経営陣が大人向けのポテトチップスをつくろうと発想したところから生まれたのが「堅あげポテト」だった。大人に好まれるスナック菓子のコンセプトとして着目したのが、「堅さ」と「じゃがいもの旨さ」。

当時、堅い食感のポテトチップスは生産効率の問題から市場に流通していなかった。そんな中、堅いポテトチップスを自動化できるフライヤーを開発した機械メーカーが現れ、新商品開発に着手した。開発から約1年半を経て誕生した「堅あげポテト」は、テストマーケティングとして北海道で限定発売を開始。すると堅い歯ごたえが一部の顧客から熱烈な支持を受け、本格的な商品化を決めた。徐々に販売エリアを拡大し、約12年をかけて全国展開を実現した。

発売から30年間守り続けている「堅さ」をプライマリーベネフィットに、「噛むほど、うまい。」をコンセプトに、コミュニケーションを展開している。過去には、別の商品名でテスト販売をした時期もあったが、思うように売上が伸びなかった。「最終的にお客さまに支持されたのは『堅あげポテト』でした。この結果をうけて、堅あげポテトとしてのブランド方向性を定め、現在に至ります」と話すのは、カルビー マーケティング本部 堅あげポテトチーム ブランドマネジャーの山本千夏氏。周年企画では、2024年秋にかけて、コアなファンだけでなく広く大人たちへ向けて、「堅あげポテト」の魅力を届けていく。

視点01 商品・ラインアップ
ファンコミュニティをつくり、生活者の声を商品づくりに生かす

定番の「うすしお味」「焼きのり味」から、期間限定フレーバーなども展開。食感の特徴から和の風味にもマッチする。

19世紀半ばにアメリカで誕生したといわれるポテトチップスは当時、スライスしたじゃがいもを、大きな釜で1枚1枚丁寧に揚げていた。その伝統的な作り方を受け継いで...

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