人気博多ラーメン店として知られる「一風堂」を運営する力の源カンパニー。飲食・外食を生業とするグループでありながら、インターネット広告の活用を強化している。マーケティング戦略の指揮を執る同社 代表取締役社長 清宮俊之氏に話を聞いた。

飲食店ならではのターゲティング
2012年夏頃から、デジタルマーケティングを取り入れた。「当社は、来年で30周年を迎えます。今後の30年を考え、時代に則した宣伝手法を採り入れていくべきだと考えました」と語る清宮社長。
「これまではお客様の声を聴く機会がなく、社員とお客様の間の認識の乖離を感じていた」という問題意識から、2万近いサンプルを基にアンケート調査を実施。結果は、認知率は全国で7割、東京で6割、関西に至っては5割ほどだった。この結果に社員は一様に驚いていたという。
そこで、デジタルマーケティングの中でも、まずは認知度を上げるためにバナーを中心としたディスプレイ広告に踏み切った。「バナー広告を通じて、半熟塩卵の無料クーポンを配布しました。認知向上と共に、ラーメン情報への反応率が高いサイトを探すことが目的でしたが、ネット上でラーメン店の広告が出ることのインパクトも相まって、予想を超える反響がありました」とし、以下のように続ける。「チラシなどの紙の販促では、10%という反応率はまず出ることはない。バナー広告閲覧者のおよそ15%の人がクーポンを利用したというのは、大きな成功と言えるでしょう」。
ネット広告では、アドテクノロジーを活用することで…
あと52%