1919年に創業した老舗のBtoB企業が、自社のブランディングに力を入れ始めた。分電盤やブレーカーを製造する河村電器産業(愛知県瀬戸市)ではトップの指揮のもと、広報課の新設や製品ブランドを育てるプロジェクトなどに着手している。
(上から)2012年5月にリニューアルした本社のショールーム「KIDS」。iPadによる製品説明など、最新技術を伝える場とした。同じく本社には社員向けの研修施設「カワムラキャンパス」があり、創業以前からの歴史をパネル展示。
分電盤開発のパイオニアとして
製品ブランドを打ち出したい
愛知県瀬戸市は古くから、陶磁器である「瀬戸焼」の産地として知られている。河村電器産業のルーツも陶磁器にあり、1919年の創業当初は個人で製陶所を営んでいた。現在の事業につながる配電機器の製造・販売は1945年、戦後すぐにスタート。中でも、1960年に始まった住宅向け分電盤の開発は業界内のパイオニアと目される存在であり、家庭内の電気を安全に供給するための機能や使いやすさ、デザインに定評がある。
そんな同社が2012年にリリースした画期的な製品が、ホーム分電盤「enステーション」だ。太陽光などのエネルギー、情報ネットワークなど次世代型の住宅に必要な機能をコンパクトに収納でき、分電盤の中にあるブレーカーの横幅は業界内でも最小となる10ミリ。場所を取らず、外観を損なわないシンプルなデザインも特徴だ。
あと70%