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元報道記者の弁護士が提言 メディアの動きを先読みする広報になる!

続発する企業の不祥事 すべて公表すべきか?

鈴木悠介(西村あさひ法律事務所・元TBSテレビ記者)

テレビ局報道記者出身の弁護士が法務とメディア、相互の視点から特に不祥事発生時の取材対応の問題点と解決策を提言します。

今回のテーマは、「不祥事を公表すべきか否か」です。こうした相談を受けることは多くあるのですが、人の生命・身体・健康に影響がない事案であれば、「直ちに当該不祥事を公表する必要はない」とアドバイスすることも事例によってはありえます。人の生命・身体・健康に影響がない事案の場合、一般的に不特定多数の消費者が興味・関心を持つ度合いも低いと考えられますし、必要な調査を尽くした上で、関係者の処分を含めた是正措置や再発防止策を講じておけば、不祥事が公になった場合であっても合理的な説明を尽くすことは可能です。

むしろ不祥事の公表により生じた社内・社外の大きな混乱のせいで、適切な調査とその後の是正措置・再発防止が困難になることも多いからです。そのため、必ずしも公表することが最善の策とは限りません。個人的には、昨今の「何でも直ちに公表すべき」という風潮には違和感を覚えています。公表することが企業にとって、そして社会にとってプラスになるかどうかは、具体的な事情を踏まえて慎重に判断する必要があると思います。

合理的な根拠なしの「非公表」が問題

図1 「契約違反」について公表すべき?
※A社は原材料Zについて耐火性に問題がないことを確認した上で、特殊繊維Xを製造販売している
※消防局が実施する耐火テストでも、原材料Yではなく原材料Zが使われた防護服は耐火性に問題はないことが確認されていた

例えば、図1の繊維メーカーA社と衣料メーカーB社の例のように「安全性には問題ない、ということが実証されている範疇で契約違反があった」というケースの場合、あなたがA社の広報担当者だったら「事実を公表すべき」と取締役らに進言するでしょうか。広報担当者としては公表の要否を判断する際に、どういった事情を考慮すべきなのでしょうか─。

ここで、こうした検討にあたって参考になると思われる ...

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