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広報界の才媛

2014年に25周年。自らの音大ネットワークも活かし「文化施設の敷居を低く」が目標

東急文化村 マーケティング部 広報室 前 春見

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前 春見(まえ・はるみ)
音大卒業後、2004年東急文化村に入社。劇場・施設運営担当の後、07年より現職。

1989年、日本初の大型複合文化施設として東京・渋谷にオープンしたBunkamura。コンサートホールや劇場、美術館、映画館のほか、カフェやアート関連ショップが集まる新たな文化の発信地として注目され続けてきたこの施設も、来年25周年を迎える。その広報を担当して7年になるのが、前春見さんだ。音大卒業後、音楽活動の現場に携わってみたいと考えて東急文化村に入社。劇場・施設運営担当を経て07年に広報室に異動した。

知り合いやメディア関係者から「前さんの話を聞いて公演やイベントに行きたくなった」と言われることも多く、広報の仕事は向いているのかもしれないと笑う前さんのポリシーは、「手を抜かないこと」。同社が手がけるものは、コンサート、演劇、美術展示まで幅広く数も多いが、そのすべてに目を通し、自分が感じた魅力を伝える。広報は、単に出来上がったものを言葉を使って広める"上っ面"の仕事ではない、と考えているからだ。「相手は専門性の高い記者やライターの方々。広報が詳しくなければ『舞台の制作担当者を呼んできて』と言われてしまうし、『こういう公演だったらもっと面白いのに』と言われて悔しい思いをすることもあります」。

目下の課題は、クラシックや演劇専門誌、新聞の文化部の記者だけでなく、幅広いメディアとの接点を持ち、紹介してもらうことだ。「渋谷という立地もあり、より若い人、クラシックや芸術・芸能に親しみのない人たちにも触れていただける場にしたい。そのため、ファッション誌のカルチャー欄などを狙っている。専門誌に比べれば、書いてもらえる分量は少ないかもしれないが、「浅くていいから広く伝えることが大切」と考えるからだ。

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ユニボール シグノ0.38(極細)は校正作業の必須アイテム。鳩居堂のレターセットもお気に入り。

ファッション誌の編集者やライターにも興味を持ってもらえるよう、広報自らコンテンツづくりにも取り組んでいる。たとえば、今年7回目になる「ドゥ マゴ パリ祭は、施設内にあるフランスの老舗カフェ「ドゥ マゴパリ」を訴求するためのイベント。「単に『こんなお茶を出しています』と言ったところで記事にはなりません。パリのエスプリを楽しんでいただくために、出張雑貨屋や花屋、本屋などを集めてお祭りのように演出しています」。オーチャードホールで定期演奏会を開くNHK交響楽団には、指揮者やソリストのほか、普段あまり取材機会のないオーケストラの楽員にもインタビューし、ウェブに掲載している。「演奏者の意外な音楽のルーツが分かって面白い」などと社内外から好評だ。

来年の25周年に向けては、前さんの音大ネットワークが活躍しそうだ。「同年代の指揮者、演奏家が世界中で活躍しています。彼らと一緒に公演をつくりたい」と夢を膨らませている。

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