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「1つ買うと、もう1つ無料」のカラクリ 各社の実例から販促タイプと狙いを考える

續 大輔氏(HItoHI/UNLOCK TOKYO)

近年、販促施策としてよく見られる「1つ買うと、もう1つ無料」キャンペーン。半額にした場合とでは何が違うのか。ここでは、各社の事例をもとに、どのような効果があるのかを解説する。

数年前からよく見かけるようになった販促キャンペーンがあります。「1つ買うと、もう1つ無料」というキャンペーンです。海外では「Buy one Get one Free」として実施されています。消費者は直感的に「1つ買うと、もう1つ無料」販促キャンペーンを、「半額キャンペーン」と同程度にお得なものに感じていると思います。「商品が半額≒商品が2つで実質半額」という体験の満足度が近く、実際に消費者はお得です。

では、なぜ「半額キャンペーン」ではなく「1つ買うと、もう1つ無料」販促キャンペーンが増加しているのでしょうか。それは店舗側にとって、キャンペーンを比較すると明確な違いがあるからです。今回は店舗側視点から「1つ買うと、もう1つ無料」と「半額キャンペーン」の違い・カラクリを考えていきます。そして、そのカラクリを踏まえて飲食店、フードデリバリー、コンビニの3つの実例を取り上げ、販促キャンペーンタイプとそこに込めた狙いを考えていきたいと思います。

脱安売り。定価で半額の体験

飲食店が「1つ買うと、もう1つ無料」と「半額キャンペーン」を実施した場合、それぞれの簡単な収支を比較してみます。飲食店の細かいコストは省き、客数、売価、売上、フード原価(30%)、利益のみで見てみます。どちらのキャンペーンでも「客数が2倍となる」仮説条件として1日の収支は図表1のようになります。

図表1 飲食店「1つ買うと、1つ無料」と「半額キャンペーン」収支比較

「1つ買うと、もう1つ無料」と「半額キャンペーン」を比較すると明確な違いが浮かび上がりました。

効果(図表2)を比較すると「1つ買うと、もう1つ無料」は、売上2倍、利益UP、安売りしない定価販売。一方、「半額キャンペーン」は、売上同じ、利益DOWN、安売りして半額販売。店舗オペレーションは客数が増えるため、どちらのキャンペーンも負担が増える。消費者が直感的に感じるお得感は、どちらもほぼ同じです。同時に、「1つ買うと、もう1つ無料」は消費者が同じ商品を2食分食べることができない場合、友人をもう1人誘って来店する可能性が高い。口コミが勝手にひろがる効果も考えられます。

図表2 「1つ買うと、1つ無料」と「半額キャンペーン」効果比較

このように店舗側視点から比較するとメリットが明らかです。「1つ買うと、もう1つ無料」販促キャンペーンが...

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