エイブルでは、2016年にひとり暮らしの女性を応援するブランド「MAISON ABLE(メゾンエイブル)」を立ち上げた。ブランド内のサービスでもある、国内単身女性に向けた会員クラブ「MAISON ABLE CLUB(メゾンエイブルクラブ)」は、入会費や年会費などは一切不要で、エイブルの利用者でなくとも誰でもサービスを利用することができる。会員には、様々な企業とコラボした特典を提供しており、時代にマッチしたサービスを提供することで、ユーザーが拡大している。
30社とコラボした特典
──「MAISON ABLE(メゾンエイブル)」の現在のお取り組みについて教えてください。
赤星:「MAISON ABLE(メゾンエイブル)」は、2016年に立ち上げたブランドです。新型コロナウイルスの感染拡大によって、人々の生活環境が変わったことでブランド戦略を見直し、2021年1月にリニューアルしました。
「ひとり暮らしの女性を応援する」というブランドの根幹となる部分は変わりませんが、より日常的な生活面に寄り添ったサポートができるようなサービスやコンテンツを拡充しています。
リニューアルの背景には、昨年の夏にエイブルホールディングスにて実施したアンケートがあります(※1)。
現在、ひとり暮らしをしているor実家暮らしで1年以内に賃貸物件を探す予定がある人に対して「生活のゆとり」について聞いたところ、現在ひとり暮らしをしている52%の人が「ひとり暮らしに余裕がない」と回答。さらには、これからひとり暮らしをする不安を聞く項目では、「安全面」という項目を抑えて、「金銭面」が66.7%と最も多い結果となりました。しかし、なぜひとり暮らしをしたいのかを聞いた質問では「自立したいため」が42.7%と最も多いことがわかりました。
ひとり暮らしをしたい理由がポジティブな理由にもかかわらず、経済面で諦めてほしくないと思い、「MAISON ABLE」では様々な特典などを提供する「365日サポート」を開始しました。
繁内:もう一点、不動産会社・ポータルサイトのイメージ調査もリニューアルのポイントとなりました。イメージ調査では、すべての企業のトップにきたイメージが「印象にない」という回答でした。さらに、「女性向け」のイメージがあるかという問いに対しても、どの不動産会社・ポータルサイトも「女性向け」のイメージがないということがわかりました。
これはまさに、本業界がコモディティ化しているということです。このような市場環境で、ひとり暮らしの女性を応援するブランド「MAISON ABLE」として想いをしっかり伝えていけば、お部屋探しの際に、当社を想起いただけたりと、競合優位性を生み出すことができると考えました。
赤星:具体的に実施している取り組みとしては、様々な業種業態の企業とコラボした特典があります。現在は、約30社の企業とコラボしており、ドトールコーヒーが運営するエクセルシオール カフェでは「ケーキを注文するとドリンク無料」、ファッションレンタルサービスのエアークローゼットが運営する「airCloset」では「初月の月額2,000円OFF」というように、クーポン・特典を「MAISON ABLE CLUB(メゾンエイブルクラブ)」会員限定で提供しています。
また、リニューアル後に追加したコンテンツとして、「メゾンエイブルカレッジ」という「MAISON ABLE CLUB」会員限定の無料ウェビナーがあります。
内容は、趣味や副業を目的にデザインスキルを学ぶものや、投資に関するお金の勉強会などです。通常、デザインスキルのセミナーを受けようと思うと、それなりに費用が発生しますし、投資関連の無料セミナーは、金融商品の営業セミナーであることも多いです。それらの不安を解消して、安心して受けることができるというのが、「MAISON ABLE」が独自で提供する価値であると...