販売促進の専門メディア

           

人が動く「瞬間」の設計

「フランス語でしか注文できないパン屋」が話題に 外国語を話す『きっかけ』と『楽しさ』をつくる

水谷 翔氏(Duolingo)

語学アプリを提供するDuolingoは6月23日、24日の2日間、「フランス語の注文しか受け付けない ふしぎなパン屋」をオープン。6月15日に日本語話者向けフランス語コースの提供を開始するのに合わせた企画で、フランス語を話すきっかけをつくった。ここでは、本企画を実施した理由とその成果について、話を聞いた。

フランス語の注文しか受け付けない ふしぎなパン屋

Duolingo(デュオリンゴ)は、英語をはじめとした言語をゲームのように楽しく学べる無料の語学アプリ。グローバルでは5億のユーザーがいるが、近年、日本においても利用者が増え、拡大している。そのDuolingoが6月23日、24日の2日間、東京・恵比寿に「フランス語の注文しか受け付けない ふしぎなパン屋」をオープン。6月15日に日本語話者向けフランス語コースの提供を開始するのに合わせた企画で、スチーム生食パン専門店「STEAM BREAD EBISU」(渋谷区恵比寿)とコラボレーションした。

店舗では、フランス語で注文できた人に、フランスパンを無料でプレゼントするイベントを実施した。期間中、「STEAM BREAD EBISU」は青と白を基調にしたフランスのパリにあるパン屋のようなイメージに装飾。「フランス語の注文しか受け付けない ふしぎなパン屋」という名の通り、フランス語でしか注文を受け付けることができず、制限時間の20秒間に店頭に表示されるフランス語のフレーズで注文できると、このイベントのために開発したオリジナルのフランスパンがプレゼントされる。

また、非接触型の店舗の形として、受け渡し口はヨーロッパで感染症が流行した際に使われた「ワインの窓」をオマージュしている。

イベントを体験する様子。フランス語での注文時に声が小さかったり、弱々しいと、「ワインの窓」をオマージュした受け取り口から、「自信を持って」などカードが出てくるというおもしろい仕掛けもあった。また、店舗ではDuolingoのブランド認知のために、リーフレット、ポスター、紙袋も制作した。

メディア露出の獲得だけを指標に

──非常にユニークな企画ですが、どのような経緯、目的があったのでしょうか?

本企画は、日本語話者向けのフランス語コースが開設されるタイミングで、サービスの認知向上を目的として実施しました。今回は、KPIを完全に「メディア露出の獲得」だけに絞っていたため、それを達成するための手法として、SNSなどで話題化する企画が必要でした。そして、広告会社、PR会社が一体となったチームで考えた結果、今回の企画に至りました。

──話題化する企画を考えた際、なぜオフラインのイベントだったのでしょうか?

もちろん話題化が重要なのですが、Web広告におけるクリックベイトのような興味だけ惹きつけるような形は...

あと60%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

人が動く「瞬間」の設計 の記事一覧

2021年上期からピックアップ インセンティブを活用したプロモーションたち
SNSでの拡散も考える 顧客が喜ぶノベルティの設計
コラボ商品が飽和する中でも「ビックリマン」が選ばれる理由
「フランス語でしか注文できないパン屋」が話題に 外国語を話す『きっかけ』と『楽しさ』をつくる(この記事です)
「特典」を「仕送り」として提供 エイブルが考える特典のあり方とは?
熱量の高いファンを振り向かせる コラボにおける特典の鉄則
花のサブスク「ブルーミー」が実践する 顧客体験を起点にしたインセンティブ
貯められることに価値がある『値引き』以外のポイント活用法とは?
「1つ買うと、もう1つ無料」のカラクリ 各社の実例から販促タイプと狙いを考える
商品を買う理想的な理由をつくるプランニングにおける重要なポイント
購買体験を最大化する!インセンティブの基本とその役割
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する