化粧品メーカーのpdcは9月から、主力ブランド「ピュアナチュラル」のプロモーションで、大手ドラッグストアと組んだクローズドキャンペーンを実施している。11月23日には、テレビCMのオンエアも始まった。月刊『販促会議』主催の企画公募賞「販促会議企画コンペティション」とのコラボレーションで、過去のグランプリ受賞者を対象に、「ピュアナチュラル」のプロモーション企画を募集したのが発端。選ばれたのは博報堂の三島将裕氏・野田紗代氏のふたりだった。
大手ドラッグストアでマストバイキャンペーン実施
pdcの「ピュアナチュラル」は1992年発売のスキンケアブランド。2万店舗規模に配荷し、ことし10月末時点で出荷数は7900万個を超えた。化粧水と乳液を合わせた「2in1」の利便性が特徴だ。
募集したのは、「ピュアナチュラル」発売25周年を機としたプロモーションで、若年層の獲得を狙う。当初の提案内容からは変更を施したものの、販促規模としてはむしろ拡大した。
母娘をターゲットとし、「ふたりで1本はじめの1本」というコンセプトは変わっていない。「2in1」を踏まえ、母親層となった既存顧客と、「ムリなくスキンケアをはじめたい」新規顧客の20歳代から30歳代の層を一挙に巻き込む企画だ。
「年々、売上が微減傾向にあった『ピュアナチュラル』を盛り上げていきたいという気運が高まり、経営のトップ層から現場までが一貫して、この機会に注力しよう、ということになりました」(pdcの北條雅隆氏)
9月からは、大手ドラッグストアで、クローズドキャンペーンを開始した。対象店舗で「ピュアナチュラル」ほかpdc商品1500円以上を購入したレシートを送ると応募できる。賞品は、オリジナルで旅程組みした体験型の旅行ツアーやオリジナルのギフトセット。「例えば、既存のお客さまである母親が『ピュアナチュラル』を購入し、新規顧客として取り込みたい娘さんと旅行してもらえたら、とストーリーを設計しました」(北條氏)
「賞品の魅力でキャンペーンの時だけ売り上げを高める施策ではなく、『ピュアナチュラル』のコンセプトや、既存顧客と新規顧客とのコミュニケーションが生まれるキャンペーンを設計しました」(博報堂の野田紗代氏)
11月からは、同ドラッグストア薬局では「ピュアナチュラル」のプロモーション展開が始まった。従来、定番棚では下段に配置されることが多かったが、アイライン(自然と目に入る位置)に大量に並ぶことになった。
11月23日からは、テレビCMを流す。期間は12月10日までだが、「YouTube」でも配信する。内容は、肌のうるおいに悩む姉妹が登場し、姉は肌の乾燥を防ぐために常に水槽に顔を入れている、というインパクトのあるビジュアル。妹のほうは、姉の姿に呆然としながら「ピュアナチュラル」を使用する。
「全国の店頭で棚を取るためにテレビCMが効果的なのは事実。営業ご担当の方も心強いし、小売側も信頼しやすい。何より、消費者も、テレビCMを流している商品なら安心できるという感覚はまだあると思います。現在はほとんど最下段に陳列されていますが、それでもロングセラーで一定の売り上げがあります。より手に取りやすい場所が得られれば、売り上げは伸びるはず」(博報堂の三島将裕氏)
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